研究課題
基盤研究(C)
1.理論解析媒質の間隙率などが深度に対して連続的に変化している海底表層遷移層からの音波反射係数の周波数特性を、遷移層を多層の層状媒質で近似し、海洋音響の計算ソフトウエアであるOASESを用いて計算した。この計算において、必要な層の数を検討した結果、その数は200とすれば十分であることを示した。計算で得られた種々の間隙率に対する反射係数の周波数特性は、ローパスフィルタの特性に近似しており、間隙率の深度特性の変化に対して、周波数特性におけるしゃ断周波数やしゃ断特性が変化することを示した。2.室内実験媒質の間隙率などが深度に対して連続的に変化している海底表層遷移層からの音波反射係数の周波数特性を、遷移層を多層の層状媒質で近似し、海洋音響の計算ソフトウエアであるOASESを用いて計算した。この計算において、必要な層の数を検討した結果、その数は200とすれば十分であることを示した。計算で得られた種々の間隙率に対する反射係数の周波数特性は、ローパスフィルタの特性に近似しており、間隙率の深度特性の変化に対して、周波数特性におけるしゃ断周波数やしゃ断特性が変化することを示した。室内音響水槽内に、清水港から採取したモデル堆積物を堆積させた。この媒質表面に共振周波数500kHzの広帯域圧電振動子より発生させた短いパルス音波を垂直入射させ、その反射波を記録した。得られた反射波形と基準波として水面からの反射波形のそれぞれをフーリエ変換し、両者の比より反射係数の周波数特性を求めた。また媒質中の縦波音速の深度特性を測定して、その結果とあらかじめ求めておいた間隙率と縦波音速との関係より、媒質中の間隙率の深度特性を求めた。音波反射係数の周波数特性の測定結果は、OASESを用いて計算した結果とほぼ一致した。3.現場海域実験まず現場海域での音波反射特性測定のためのシステムの設計および製作を行った。このシステムを用いて、清水港の水深約20mの海域において音波反射の測定を行った。共振周波数100kHzの広帯域圧電振動子を上部に取り付けた1200×900×600m^3のスチール製フレームを海底に設置させた状態で音波反射波形を記録した。室内実験と同様の方法で反射係数の周波数特性を求めた。またGS型表層採泥器を用いて採取した試料を1cm間隔で間隙率や密度を測定し、各深度特性を求めた。測定により得られた反射係数の周波数特性は、OASESを用いて計算した結果とほぼ一致した。以上の理論解析および室内、現場海域実験の検討結果より、音波反射係数の周波数特性を測定することにより、海底表層遷移層の間隙率や密度の深度特性が求められる見通しを得ることができた。
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Journal of ASTM International Vol. 3, No. 5(In press)
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