研究計画に沿って、今年度行った研究作業、制作項目を以下に列挙する。 (1)会話インタフェースは完成し、実船になぞらえた操船シミュレータでの実証試験も終了した。これを実船とした本校練習船に搭載し、動作実証試験を行った。 (2)実船航海当直の現場で本システムを用いた場合の見張りに専念した時間と、本システムを用いない従来の当直での見張りに専念できた時間を比較した。その結果、本システムを用いたほうが20%、3時間の業務中40分程度見張りに多く費やせることが判明し、本システムの使用効果が実証確認できた。 (3)衝突回避操船時の支援を会話インタフェースで行うサブシステムにも取り組んだ。現在衝突する、ニアミスする1隻の他船については、避航を決断するタイミング、避航行動の大きさ、元の針路への復帰のタイミングや行動について、航海士のノウハウを知識データベースとして抽出できた。当直現場において、これら知識データベースを活用し、言葉によるアドバイスを航海士に与えることができるようになった。
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