研究概要 |
より実用性を考慮したシステムの構築と外乱対策の検討を行った. 実際のシステム運用時には移動体の振動,歩行や様々な動作が外乱として骨導音に影響を及ぼし,また雑音の特性も様々である.そこで,外乱等の影響を考慮したより実用的なシステムを構築した.また,機関室内での作業支援であるため,システムの無線化が必要である.無線化の際の影響やそれに対する対策についての調査さらには受信側の骨導音を用いた再生システムについても検討した. より高精度の骨導音によるインターフェースを構築する為には骨導認識システムの性能を向上させる必要がある.構築を行うためには,音声認識用辞書を入力信号の特性により近づけることが重要である.そこで,骨導音認識システムにおいては現有の不特定話者音声モデルを話者(信号)適応処理にて入力信号である骨導音の特性に近づけて,骨導音をより認識しやすいモデルに変化させる検討を行い,騒音が音声の20dB以上の低SNR環境下でも実用レベルの認識性能を得ることに成功した.この検討によりそれらできあがった骨導モデルを認識システムに取り込み,より頑健な骨導音認識システムを構築した. 次に認識システムにおける外乱に対する影響の検討もおこなった.まず,歩行などの影響について,聴感実験および認識実験により調査を行い,外部からの振動の影響による外乱について調査し,開発した適応処理アルゴリズムを用いて骨導音から除去することを検討した.また,骨導音の音質評価のための聴感評価手法についても基礎検討を行った.
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