研究計画の2年度として、以下の研究を行った。 1.爆源近傍における応力波の伝ぱ特性に関する実験 市販の地震探鉱用電気雷管を装薬に使用して、モデル実験を行った。供試体にはPMMAを使用し、爆源から20mm間隔で供試体表面の6点に、応力波の伝ぱ方向(半径方向)と、それに直交方向に各々ひずみゲージを添付して、波面到達時刻、動ひずみ履歴を測定した。この供試体の縦波弾性波速度が2.62km/sであることから、爆源近傍では、その波面速度が弾性波速度以上の衝撃波領域(塑性領域)があり、弾性波領域へ遷移していることがわかる。また、動ひずみ履歴から、波面の伝ぱ方向に沿う半径方向ひずみは、爆源近傍では、40000μεを超える圧縮ひずみが生じていることが確認され、爆源から遠ざかるにつれて、急速に減衰する。円周方向ひずみについては、応力波波頭では、引張ひずみが生じることを確認した。 2.二段階時間制御起爆法の有効性に関する実験 PMMA供試体を使用して、応力波と亀裂の干渉挙動を調べるために、二段階時間制御起爆に関するモデル実験を行なった。実験では、ガイドホールを使用して、亀裂進展方向制御を行い、その亀裂面に応力波を干渉させた。高速度ビデオ画像から亀裂伝ぱを観察するとともに、応力波の作用効果をひずみ測定値から確認し、亀裂面を横切って、応力波伝ぱで生じるひずみが大きく減衰することが確認できた。 3.PMMA中を伝ぱする応力波の可視化観察結果は、オーストラリアでのシンポジウムで報告した。
|