研究課題
基盤研究(C)
本研究は、核融合炉定常運転時のプラズマ対向壁における、(1)不純物発生と輸送、(2)壁材料の損耗と再堆積、(3)水素リサイクリングとトリチウムリテンション、の問題について、モデルの構築とそれに基づく計算機シミュレーションコードの確立を目的とした。特に、国際熱核融合実験炉ITERにおいて使用される、炭素、タングステン、ベリリウムのプラズマ照射による材料混成と各材料の損耗量を評価するプログラムと、プラズマ対向壁として黒鉛材を使用した際問題となる、化学スパッタリングにより放出された炭化水素分子の再付着による対向壁へのトリチウム蓄積とその分布を評価するプログラムの開発した。このコードは、"イオン・固体相互作用モジュール"、"周辺プラズマ輸送モジュール"、"化学スパッタリングモジュール"から成り、これらはモンテカルロ法と解析的手法を組み合わせて、エネルギーを持った燃料イオンや不純物イオン、壁材料原子や炭化水素分子などの化学反応生成物の壁材料中または周辺プラズマ中の軌道を計算し、一方の出力が他方の入力になり、プラズマと材料とが有機的に結合する実際に核融合炉内で起こる現象をシミュレーションすることができる。開発したコードをTEXTOR装置(独国)におけるタングステン及び炭素リミタ試験に適用し、プラズマ照射によるこれら材料の混成と損耗・再堆積分布を解析してコードの実用性を明らかにした。また、JT-60U装置におけるダイバータ部で使用された黒鉛タイルの損耗・再堆積分布を実機プラズマ条件で解析し、表面分析データを再現した。また、水素リテンション量の特に多い炭素再堆積層が黒鉛タイルの側面やタイル間の隙間、さらにプラズマ照射のほとんどない排気口近くに形成されるため、ダイバータ領域全体を計算空間とし、ターゲットの表面構造を組み込み、実機条件でのターゲット上の損耗・再堆積分布や水素リテンション分布を評価するプログラムも開発した。
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