研究課題
基盤研究(C)
1.核融合中性子を遮蔽するブランケットから、ある量の中性子の漏洩、透過が明らかにされており、超伝導マグネットは一定量の中性子照射を受けることになる。そのため、超伝導素線を4.5Kに保持した状態で、核融合中性子を照射する試験設備を設計、導入し、新しいシステムが所定の性能を発揮することを確認した。2.極低温下、中性子照射環境下での温度計測のため、PtCo、金鉄一クロメル熱電対、Cernox温度素子の動作を検討した。実験を行った範囲内でCernoxだけが正常に動作していることが確認された。3.Nb_3Sn線材、Nb_3A1線材を供試した。Nb3Sn線材はブロンズ法で製作されたもので、10^<20>n/m^2程度の14MeV中性子の照射では明確な臨界温度の変化を示さなかった。急速加熱、急速急冷法(RHQ)で製作したNb_3Al線材は、RHQ処理を行ったままのものと、RHQ後800℃で1時間の焼きなましを行った試料の2種類を試験した。10^<20>n/m^2程度の14MeV中性子の照射後、焼きなましを行った試料の臨界温度は変化がなかったが、RHQ処理のままのものでは明らかに臨界温度が低下した。4.臨界温度は長範囲規則性と強い相間があることが知られている。そのため、中性子照射による臨界温度の低下は、長範囲規則性が乱されたことによって生じたものと考えられる。高速中性子は結晶構造を構成する原子と衝突し、その構成原子を弾き出す。弾き出された原子は他の原子を弾き出すか、他の原子と衝突してそのエネルギーを失い、格子間原子となる。弾き出された原子の後には原始空孔が残る。このような原子空孔の導入、格子間原子の創出が長範囲規則性を乱し、超伝導特性の一つである臨界温度を低下させたものと考えられる。
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Fusion Engineering and Design
Fusion Engineering and Design 81
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