研究課題
(1)受光薄膜の耐久性:本方式が核燃焼トカマク実験の放射損失計測として成り立つための最重要課題の1つである。ディスラプション時の振動、容器内圧力の急激な変化、誘導電流などに対する耐久性が必要である。平成15年の試験設置から現在まで約2年間のディスラプションを含む1800ショットのJT-60Uトカマクの実験放電に対して、2.5ミクロンの金薄膜(7cmx9cm)は健全に維持出来た。受光部の差動排気構造が設計通り有効に機能したためと考えている。(2)JT-60Uトカマク用イメージング・ボロメータの完成:電磁・中性子シールド、赤外ミラーなどの製作と小型赤外カメラの試験の後トカマク本体ポートに設置し、平成16年9月に「接線方向にも視野を持つJT-60Uトカマク用イメージング・ボロメータの測定器本体部」を完成させた。同時にビデオ信号伝送系を整備し、JT-60Uの16年度運転終了まで約2ヶ月間アナログモニターによる試験測定を行った。(3)試験運転/初期測定の結果:重水素放電で加熱入力が数MW以上の場合、赤外カメラが誤動作するが判明した。磁場、加熱装置からのノイズ、中性子照射の影響を調べ、シールドの強化策を検討している。一方、ディスラプション時の受光膜の温度上昇など初期データも得られており、トーラスに沿って弧状に分布するダイバータの放射損失を世界で始めて2次元画像としてとらえることにも成功した。放射損失のトロイダル(非)一様性が計測可能になった事を示す成果である。得られた受光膜温度の画像信号を数値データに加工して、既存の抵抗型ボロメータによる測定と時間・空間変化の比較を行っている。(4)上記の初期結果をITERのための第7回国際トカマク物理活動・計測会合及びプラズマ核融合学会第21回年会で報告した。今後、ディジタル信号系の構築と共に大入力加熱実験でも計測出来るようシールドを強化してシステムを完成させる。また較正試験を開始する。
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Proc.32nd EPS Conference on Control Fusion and Plasma Physics(Terragona, 2005)Europhysics Conference Abstracts (発表予定)
Meeting of the ITPA Topical Group on Diagnostics, Culham, England, 14-18 March, 2005, http://www.rijnh.nl/ITPA/ITPA-8.htm CD-ROM/WEB
Proc.of The 2nd Japan/Korea Seminar on Advanced Diagnostics for Steady State Fusion Plasma(August 25-27, 2004 Da
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