研究課題/領域番号 |
16560729
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
木島 滋 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究副主幹 (80354588)
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研究分担者 |
B.J. Peterson 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (00280595)
芦川 直子 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (00353441)
三浦 幸俊 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究主席 (60354586)
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キーワード | 赤外イメージング・ボロメータ / 放射損失 / 核燃焼プラズマ計測 / JT-60Uトカマク / ITER / LHD / 赤外線測定 |
研究概要 |
核燃焼トカマク計測法としての有効性を検証するため、接線方向に視野を持つ赤外イメージング・ボロメータをJT-60Uトカマクに設置した。受光薄膜(2.5ミクロン)は、差動排気機能など構造上の工夫により、ディスラプションを含むトカマク運転条件下でも充分な耐久性を持っている。 初期測定の結果、ディスラプション時の受光膜の明瞭な温度上昇や、トーラスに沿って弧状に分布するダイバータの放射損失を世界で始めてとらえることに成功した。ディジタル処理した画像データは既存の抵抗型ボロメータの測定結果と整合がとれている事も確認した。これらの初期結果をスペインで開催されたプラズマ物理に関する第32回ヨーロッパ物理学会で発表した。 その後、高出力重水素実験時の赤外カメラの誤動作などの問題点を解決するため、2005年10月に中性子や漏洩磁場に対する遮蔽を強化する改造を行った。また、14ビットのディジタル信号の取得や測定系とJT-60の運転との同期化など画像伝送・処理部も改造した。今後、放射損失のトロイダル一様性など新しい知見も得られると期待している。 2006年2月JT-60U赤外イメージング・ボロメータのその場感度較正試験を行った。薄膜上の約70点について、予め強度分布を測定しておいたレーザー光を放射源として照射し、各照射点での温度分布とその減衰時定数を赤外カメラで測定した。有限要素法による解析で温度分布の広がりから熱拡散係数を、また時定数から熱伝導率と膜厚との積を求める事が出来る。一方、赤外カメラ自身の感度は、同じ輻射率を持ち温度制御が可能な模擬薄膜を用いて測定した。Stefan-Boltzmann則との比較によって較正値を求める。 感度較正、JT-60U実験における密度限界での放射崩壊や不純物入射実験での測定結果を高温プラズマ計測やプラズマ壁相互作用国際会議などで発表する予定である。
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