研究課題
正常時の低出力から高出力までの原子炉の運転データをニューラルネットワークに学習させることにより、ネットワーク内部で原子炉のモデル化を行い、異常が発生したときに非常に早期にこれを検知するシステムについて検討を行った。日本原子力研究所との協力により、実プラント(オランダ、Borselle炉、41万kWPWR)のデータを用いて異常診断を行った。実プラントにおける計測系のノイズを含む非常に小さい異常信号について、どの程度の検知能力があるか検証した。本研究のように大学で実プラントのデータを得つつ異常診断システムの開発、改良を行うことはこれまで試みてこられなかったテーマである。ニューラルネットワーク理論として、これまで実際のプラントに報告された例のないKohonennネットワーク理論(異常検知とともに異常診断が可能)を応用した。これらの成果を高温工学試験研究炉の異常診断に応用するための準備段階として、同炉の一定出力からの制御棒引き抜き事象に関して、モンテカルロ法等を用いた解析の結果と、ニューラルネットワーク理論を用いた本解析結果との比較を行った。試験データについては、両コードの結果が十分な精度で一致することが確認された。
すべて 2004
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日本原子力学会「2004年秋の大会」予稿集
ページ: B38
Proceedings of FLONS2004(6th International Conference on Applied Computational Intelligence), Sept.1-3, 2004
ページ: 557-560