研究課題
基盤研究(C)
エラスチンの基本構造を有する感温性ポリペプチドであるPoly(GVGVP)_nに加えてこれにフェニルアラニン、グルタミン酸が含まれるPoly{(GVGVP)(GVGFP)(GEGFP)(GVGVP)(GVGFP)(GFGFP)}。についてLCST以上の温度への昇温条件、濃度、温度、かくはん速度などの調整により、粒径がコントロールされた分散性の優れた凝集粒子の作製条件を検討し、得られた粒子けんだく液を保温しながら^<60>Coガンマ線照射を行った。その結果、エラスチンの基本繰り返しアミノ酸配列GVGVPから成るポリペプチドの場合、未凝集状態の水溶液を40℃の純水中に滴下し、急激に昇温することによって調製した粒子県抱く駅に対して8.5kGy以上のガンマ線照射を行うことにより、照射後LCST以下の温度に戻しても無菌フィルター透過可能な200nm以下のナノ粒子が安定して得られることが明らかになった。放射線量の増加とともに収率も向上することを見出した。粒子の形状は電子顕微鏡により確認した。放射線照射後のポリペプチドの分子量変化をGpC、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動により検討した結果、ポリペプチドの放射線照射による架橋反応においては、40kGy未満の線量においてはポリペプチドの分解は観察されず、主として架橋反応であることが示唆された。この粒子に赤色色素Biebrich Scarlet Redを含浸させ、徐放実験を行ったところ2週間以上にわたって持続的に色素が放出されることを確認した。さらに制ガン剤として広く用いられているメトトレキサートについて試験管内でのポリペプチドへの担持方法、徐放方法を検討し、ポリペプチド1mg当り約0.05mgの薬剤の担持が達成され、この条件で最低3日以上の徐放期間が観測された。
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