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2004 年度 実績報告書

サンゴ礁の微地形と魚類の種多様性を促進する微小生息場所の構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 16570014
研究機関滋賀大学

研究代表者

服部 昭尚  滋賀大学, 教育学部, 助教授 (90273391)

キーワードサンゴ礁 / 微地形 / 場所利用 / 種多様性 / 幼魚の定着 / パッチリーフ / 画像解析 / 空中写真
研究概要

沖縄県石垣島の白保サンゴ礁礁池に4haの調査地を設定し、カラー空中写真に画像解析を施した潜水調査用地図を作製した。さらに、調査地を12区域に分けて微地形の特徴を明らかにした。
今年度は、スズメダイ科魚類に属するハマクマノミとカクレクマノミの2種を対象にして、6月と9月に1区域毎2時間の遊泳観察を行いながら、目撃した群れの分布を地図上に記録した。さらに一部の群れについては、1個体につき15分間の行動圏観察を行い、採餌、産卵、子育て、休息、逃避などに利用した具体的な微地形を特定した。
対象とした2種では、利用する微地形が全く異なり、ハマクマノミでは大小に関わらずパッチリーフの縁(垂直面)を利用し、カクレクマノミは藻場に近い砂地内で半埋没の水平岩盤を利用することが明らかになった。両種とも、潮間帯には生息しないが、カクレクマノミは潮下帯最上部に多く生息した。カクレクマノミについては、空中写真の画像解析を利用した調査用地図の作成により、はじめて詳細な分布様式と場所利用パターンの関係が明らかになった。新たに導入したコンピュータを用いて空中写真の画像解析を行い、ハマクマノミの個体数データとの相関分析を実施したところ、ハマクマノミの個体数は、パッチリーフの数や面積、あるいは形の複雑さを表すフラクタル次元よりも、総周辺長と最も高い相関係数を示すことが明らかになった。パッチリーフの縁、すなわち垂直面は、窪みなどの隠れ場所が多く、外洋からの海水流が直接ぶつかる場所でもある。この場所に他のスズメダイ科魚類も多く生息するかどうかについては、来年度に明らかにする。これまでに実施した野外調査の結果と空中写真の高度な画像解析による結果をまとめ、第10回国際サンゴ礁学会(7月、沖縄)、日本生態学会(8月、北海道)、および日本サンゴ礁学会(11月、東京)で発表した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Vertical and horizontal distribution patterns of the giant sea anemone Heteractis crispa with symbiotic anemonefish on a fringing coral reef2005

    • 著者名/発表者名
      Akihisa HATTORI
    • 雑誌名

      Journal of Ethology in press

  • [雑誌論文] High mobility of the protandrous anemonefish Amphiprion frenatus : non-random pair formation in limited shelter space2005

    • 著者名/発表者名
      Akihisa HATTORI
    • 雑誌名

      Ichthyological Research 52巻1号

      ページ: 57-63

  • [雑誌論文] Seasonal changes of submerged macrophyte community with different depth profile in a calm bay of Lake Biwa, Japan2004

    • 著者名/発表者名
      Akihisa HATTORI
    • 雑誌名

      Ecology and Civil Engineering 71巻1号

      ページ: 824-831

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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