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2006 年度 実績報告書

生物種間の相互作用の進化的変化が種多様性の創出・維特にはたす役割の理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16570015
研究機関京都大学

研究代表者

山内 淳  京都大学, 生態学研究センター, 助教授 (40270904)

キーワード有性生殖 / 植食圧 / 最適フェノロジー / 最大原理 / 理論
研究概要

本年度の主な研究成果の一つは、「有性生殖系統と無性生殖系統の競争の定式」である。この研究では、一つの繁殖集団の中に有性生殖を行う系統と無性生殖を行う系統が混在している場合に、有性生殖の交配頻度を集団内における有性生殖個体の頻度の積で記述してしまうと、有性生殖個体の繁殖成功を過小評価してしまう場合があることを理論的に示したものである。本研究の成果は、Evolution誌に掲載された。この研究は種間の相互作用を直接に扱ったものではないが、異なる系統間の相互作用の定式化は、種間の相互作用を扱う際にも応用可能である。
二つ目の成果は、「植食圧の下での植物の最適成長スケジュールの理論的解析」である。植物は、葉などの栄養器官と花などの繁殖器官の成長スケジュールを、次世代の生産を最大にするように決定しているだろう。先行する理論研究によって、植食圧が存在しない状況では、植物はシーズンの前半では栄養器官のみを成長させるが、ある時刻以降は繁殖器官のみを成長させるように栄養配分を切り替えるということが予測されている。しかしながら本研究の解析により、植食圧が存在する状況では、栄養器官と繁殖器官の両方に同時に栄養配分を行う期間が現れる場合があること、また、植食圧の増大に伴って繁殖器官のみに栄養を配分する期間が短くなる(すなわち開花のピークがシーズンの遅い方にずれる)ことが明らかになった。本研究の成果は、Journal of Theoretical Biology誌に掲載予定である。
また、本年度内に公表するまでにはいたらなかったが、競争関係にある多種のニッチ空間上での共存についても解析を進めている。各種におけるニッチ利用のバリエーションの存在が、多種共存を促進する可能性について、環境変動の影響なども考慮しながら調べている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Optimal phenology of annual plants under grazing pressure.2007

    • 著者名/発表者名
      Yamamura, N., N.Fujita, M.Hayashi, Y.Nakamura, A.Yamauchi.
    • 雑誌名

      Journal of Theoretical Biology (in press)

  • [雑誌論文] Formulation of competition between sexual and selfing forms.2006

    • 著者名/発表者名
      Yamauchi, A.
    • 雑誌名

      Evolution 60

      ページ: 1952-1953

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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