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2005 年度 実績報告書

生活史の空間利用性進化の理論研究

研究課題

研究課題/領域番号 16570019
研究機関九州大学

研究代表者

巌佐 庸  九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (70176535)

キーワード複合生活史 / ホーミング / 葉脈形成 / カナリゼーション / 生態系管理 / 薬剤耐性進化 / オーキシン / 中間宿主
研究概要

本研究は、空間的にヘテロで時間的にも変動する環境のもとで生物がさまざまな生活史/形態/行動を進化させることを数理的に理解することが目的である。
[1]多くの海洋無脊椎動物はプランクトン生活と固着性生活をともにもつ。同様に寄生虫が終宿主、中間宿主など複数の宿主を利用する。このような複合生活史の進化について理論的に研究した。(EER2006印刷中)
[2]ホーミング現象の進化について簡単な場合は解析的に調べたが、現在、空間構造のある場合と環境変動が入った場合にシミュレーションと数値解析を共同研究者とともに詰めている。
[3]植物の空間利用戦略については、陸上植物がヘテロな環境で適応的に器官の形や数を制御することを理解するために、形態形成機構にふみこんだアプローチをすすめた。
葉脈の形成過程については、カナリゼーション仮説がある。それは各細胞からオーキシンが作られそれが根にあるシンクに向かって流れるが、このときPIN1というオーキシンキャリアタンパクが配向することによりますます流れやすくなりその結果自己組織的に葉脈の場所が決まるとするものである。それを初めて数理モデルとして解析し、適当な条件のもとでは枝分かれ状の葉脈がつくられることを示した(JTB,2005)。しかし多くのに維管束植物でみられる網状の葉脈はできない。それを作らせるには、さらなる相互作用項が必要であることを示した。
[4]生態系の管理について、人々が協力を引き出し維持するための条件について理論的研究を進め、湖沼の水質汚染や森林伐採を例にして解析した。(ER,2006)
[5]発ガンのプロセスや、耐性突然変異の出現による薬剤耐性の進化などを確率過程をもとに解析した。(Nature, 2005 ; PNAS 2004 ; Genetics 2004 ; 2006など)

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Dynamics of chronic myeloid leukemia.2005

    • 著者名/発表者名
      Michor, F., T.P.Hughes, Y.Iwasa, S.Branford, N.P.Shah, C.L.Sawyers, M.A.Nowak.
    • 雑誌名

      Nature 435

      ページ: 1267-1270

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Self-organizing formation of vascular system of plant leaves : co-orientation between auxin flux and pump proteins.2005

    • 著者名/発表者名
      Feugier, F.G., A.Mochizuki, Y.Iwasa
    • 雑誌名

      Journal of Theoretical Biology 236

      ページ: 366-375

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Mate-choice copying as Bayesian decision making.2005

    • 著者名/発表者名
      Uehara, T., H.Yokomizu, Y.Iwasa.
    • 雑誌名

      American Naturalist 165

      ページ: 403-410

  • [雑誌論文] Population genetics of tumor suppressor genes.2005

    • 著者名/発表者名
      Iwasa, Y., F.Michor, N.L.Komarova, M.A.Nowak.
    • 雑誌名

      Journal of Theoretical Biology 233

      ページ: 15-23

  • [雑誌論文] Optimal growth pattern of defensive organs : the diversity of shell growth among Molluscs.2005

    • 著者名/発表者名
      Irie, T., Y.Iwasa.
    • 雑誌名

      American Naturalist 165

      ページ: 238-249

  • [図書] 『物理学大辞典』このなかの「数理生物学」を執筆2005

    • 著者名/発表者名
      鈴木増雄ほか編
    • 総ページ数
      878
    • 出版者
      朝倉書店

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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