研究課題
基盤研究(C)
本研究は、空間的にヘテロで時間的にも変動する環境のもとで生物がさまざまな生活史/形態/行動を進化させることを数理的に理解することが目的である。[1]多くの海洋無脊椎動物はプランクトン生活と固着性生活をともにもつ。同様に寄生虫が終宿主、中間宿主など複数の宿主を利用する。このような複合生活史の進化について理論的に研究した。(EER2006印刷中)[2]ホーミング現象の進化について簡単な場合は解析的に調べたが、空間構造のある場合と環境変動が入った場合にシミュレーションと数値解析を共同研究者とともに詰めている。[3]植物の空間利用戦略については、陸上植物がヘテロな環境で適応的に器官の形や数を制御することを理解するために、形態形成機構のモデル化をすすめた。葉脈の形成過程については、カナリゼーション仮説がある。それは各細胞からオーキシンが作られそれが根にあるシンクに向かって流れるが、このときPIN1というオーキシンキャリアタンパクが配向することによりますます流れやすくなりその結果自己組織的に葉脈の場所が決まるとするものである。それを初めて数理モデルとして解析し、適当な条件のもとでは枝分かれ状の葉脈がつくられることを示した(JTB,2005)。しかし多くのに維管束植物でみられる網状の葉脈はできない。それを作らせるには、さらなる相互作用項が必要であることを示した。[4]生態系の管理について、人々が協力を引き出し維持するための条件について理論的研究を進め、湖沼の水質汚染や森林伐採を例にして解析した。(ER,2006)[5]発ガンのプロセスや、耐性突然変異の出現による薬剤耐性の進化などを確率過程をもとに解析した。(Nature,2005;PNAS 2004;Genetics 2004;2006など)
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