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2005 年度 実績報告書

性転換をする魚類の社会構造と内分泌特性の進化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16570025
研究機関千葉県立中央博物館

研究代表者

須之部 友基  千葉県立中央博物館, 資料管理研究科, 上席研究員 (00250142)

研究分担者 川瀬 裕司  千葉県立中央博物館, 研究員 (10270620)
櫻井 真  鹿児島純心女子短期大学, 生活学科, 助教授 (90321356)
四宮 明彦  鹿児島大学, 水産学部資源育成科学講座, 教授 (90041722)
キーワード性転換 / 雌雄同体 / ステロイドホルモン / 免疫組織化学 / 社会構造 / 婚姻システム / ハゼ科 / ベニハゼ属
研究概要

鹿児島県錦江湾に棲息するナガシメベニハゼTrimma sp.1の性転換を飼育実験により確認した.性と体サイズとの関係を調べたところ,雄が有意に大きいものの,小型雄も出現することから,本種では様々なサイズで性転換をすることが示唆された.サイズの異なる雌2尾あるいは雄2尾の組み合わせを作り飼育したところ性転換をするのは大小の個体間で有意差はなかった.これは性転換をする魚類ではこれまで知られていない現象であるが,その適応的意義については不明である.
錦江湾に棲息するオニベニハゼTrimma sp.2の性転換を飼育実験により確認した.本種は複数の雌のグループの中の1尾が性転換して雄になる.また,雄どうしを同居させると片方が雌になる.同属のオキナワベニハゼのように大型個体が雄,小型が雌とサイズによって性が決定された.これは本種がオキナワベニハゼと同様の社会構造を有していることを示唆している.
ベニハゼ属10種と近縁のイレズミハゼ属4種,シマイソハゼ属2種,ヨリメハゼ属1種,クモハゼ属1種の生殖腺を組織学的に観察し,その構造を比較した.イレズミハゼ属ではこれまで報告されたベニハゼ属と同様に精巣と卵巣を同時に有していた.シマイソハゼ属,ヨリメハゼ属,クモハゼ属では雄では精巣,雌では卵巣のみが見られた.ベニハゼ属10種の内,7種では精巣と卵巣を同時に有していたが,アオギハゼとオヨギベニハゼでは雌では卵巣と精巣が,雄では精巣のみが見られた.カスリモヨウベニハゼでは雄では精巣,雌では卵巣のみであった.つまりベニハゼ属は多くの種で両方向の性転換をするが,一部では雌性先熟あるいは性転換をしない可能性がある.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Aromatase immunoreactivity and the role of enzymes in steroid pathways for inducing sex change in the hermaphrodite gobiid fish Trimma okinawae2005

    • 著者名/発表者名
      Sunobe, T., M.Nakamura, Y.Kobayashi, T.Kobayashi, Y.Nagahama
    • 雑誌名

      Comparative Biochemistry and Physiology Part A 141巻1号

      ページ: 54-59

  • [雑誌論文] Molecular cloning and expression of Ad4BP/SF-1 in the serial sex changing gobiid fish, Trimma okinawae2005

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi, T., T.Sunobe, T.Kobayashi, Y.Nagahama, M.Nakamura
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications 322巻

      ページ: 1073-1080

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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