研究課題
高親和性リン酸輸送体を欠損した出芽酵母株PAM2にミヤコグサ菌根特異的リン酸輸送体LjPT4を発現させたところ、ベクターコントロールに比べて明らかに菌体内への[^<32>P]リン酸の取り込みが上昇した。したがって、LjPT4がリン酸輸送活性を発揮することをヘテロな系で証明できた。ミヤコグサのLjPT4プロモーター(1.4kb)を単離し、GUSレポーター遺伝子につないで毛状根形質転換法でミヤコグサに導入した。その結果、意外なことに、菌根菌感染の有無にかかわらず根全体に高いレポーター活性が検出された。ポジティブコントロールとしてタルウマゴヤシ(Medicago truncatula)の菌根特異的リン酸輸送体遺伝子MtPT4のプロモーター(0.9kb)を用いて同様にミヤコグサに導入したが、この場合は菌根菌の樹枝状体を含む皮相細胞のみにレポーター活性が検出された。LjPT4プロモーターが予想に反する挙動を示す理由は今のところ不明であるが、特異的な発現にはさらに長い領域を必要とするのかもしれない。RNAi法で遺伝子発現を抑制するためのベクターpKANNIVALを用いて、予定通りLjPT4ノックダウン用コンストラクトを作成できた。今後はこのコンストラクトをミヤコグサに導入し、形質転換体に菌根菌を接種して表現形を確認したい。
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Plant Physiol. (In press)
Biosci Biotechnol Biochem. 68(8)
ページ: 1805-1807