研究課題
植物細胞内でみられるアクチンに依存した運動の光制御について、その分子機構に迫るため、再構成系を構築し、解析を進めている。1.葉緑体を細胞内の特定の場所にアンカーする機構について、細胞膜ゴーストによる解析を行なっている。ホウレンソウ葉肉細胞をプロトプラスト化後、ポリリジンコートしたカバースリップに貼り付け、ナイロンメッシュで押しつぶすことにより細胞膜ゴーストを調製した。間接蛍光抗体法および蛍光ファロイジン染色により、ゴースト上に残った葉緑体の周辺をアクチン繊維が取り巻いていることがわかった。葉緑体の細胞膜へのアンカーについて、ゴーストの単位面積あたりに占める葉緑体の面積を指標として解析した。プロトプラストをアクチン脱重合剤で処理した後にゴースト化すると、ゴースト上に残る葉緑体が大きく減少することがわかった。現在、光合成阻害剤などの効果を検証している。2.葉緑体運動の再構成系での再現を目指し、細胞質基質画分の調製、解析を行なっている。タバコ培養細胞BY-2をプロトプラスト化後、パーコール遠心によって液胞を除き、ミニプロトプラストを得た。プロテアーゼ阻害剤、カゼインを含む緩衝液中でミニプロトプラストを破砕後、超遠心によって得られる上清を細胞質基質画分とし、その粘性を、落下球法により見積もった。細胞質基質画分の粘性は61cPと求められ、アクチン脱重合剤存在下で47cPに低下することがわかった。また、Ca^<2+>濃度の効果を検討した。さらに、ミニプロトプラストを融合後、破砕せずに細胞質基質画分を調製する方法を開発している。(日本植物学会第68回大会で一部発表)
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Planta (印刷中)
Light Sensing in Plants(Wada M., Shimazaki K., Iino M., eds.). Springer-Verlag Tokyo (印刷中)
Plant Morphology 16
ページ: 11-20
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