研究課題/領域番号 |
16570041
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物生理・分子
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研究機関 | 北海道大学 (2005) 基礎生物学研究所 (2004) |
研究代表者 |
藤田 知道 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50322631)
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研究分担者 |
長谷部 光泰 基礎生物学研究所, 生物進化研究部門, 教授 (40237996)
村田 隆 基礎生物学研究所, 生物進化研究部門, 助教授 (00242024)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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キーワード | 植物 / 細胞分裂 / 遺伝子 / 発生 / 細胞分化 / 発現制御 / 細胞極性 / 幹細胞 |
研究概要 |
細胞の極性形成や引き続いて起こる不等分裂の制御は、植物多細胞体の発生に必須である。しかし、その分子機構はよくわかっていない。本研究は、これまでにヒメツリガネゴケプロトプラストを用いた一過的過剰発現スクリーニング系により同定した極性形成や不等分裂に関わる遺伝子約60種類の一部について機能解析を進めた。 極性形成や不等分裂は、その過程に関わるタンパク質自体の極性分布がその作用発現に必須である例が知られている。遺伝子ターゲティング法により候補遺伝子をYFP蛍光レポーター遺伝子と候補遺伝子の融合遺伝子に置き換え、自分自身のプロモーター制御下におけるYFP融合タンパク質の細胞内局在を観察した。原糸体におけるこれまでの観察から、分化した原糸体細胞よりも分裂を維持し続ける頂端幹細胞に多く存在するものを8種類の同定する事ができた。このうちの2種類について、プロトプラストを単離し、プロトプラストからの第一不等分裂時における融合タンパク質の局在変化を詳細に調べた。そのうち1種類は、プロトプラスト内の極性形成部位に局在する傾向にあった。遺伝子産物はゴルジ体に局在し、細胞内の極性形成あるいは維持に関わりがあると考えられた。他の1種類は、ヌクレオソームアッセンブリータンパク質(NAP1)をコードしており、不等分裂直前には細胞質内の伸長先端側から基部側にかけて勾配を作り分布している様子が観察できた。また、不等分裂後には頂端幹細胞の核、細胞質にタンパク質の蓄積は維持される一方で、基部側の非幹細胞で蓄積は減少していた。他の生物でのNAP1タンパク質の機能解析結果とを合わせると、このタンパク質が細胞極性形成や維持および、幹細胞維持に関わるクロマチンダイナミクスの制御に関わる可能性が考えられた。このように細胞極性や幹細胞化に関わる可能性のある因子が同定できた。
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