研究課題
基盤研究(C)
ペチュニアのLateral-shoot Inducing Factor(LIF)は腋芽の基部で特異的に発現し、人為的に高発現させる(LIF-OX)と枝分かれが著しく促進される。本研究では、LIFの枝分かれ制御における分子機構を植物ホルモンとの関係に注目して解析した。また、SUP/LIFと同じファミリーに属するシロイヌナズナのSuperman-Like(AtSPL)遺伝子群の網羅的な機能解析により、AtSPL5が環境ストレスやホルモン応答に関与していることを示す結果が得られた。LIF-OXにおいて、枝分かれの制御において重要なサイトカイニンの含量を測定し、野生型と比較した。その結果、分子種によって異なる増減パターンを示したが、LIF-OX系統では塩基型t-Zeatinの顕著な低下が認められ、これが枝分かれ促進の原因と考えられた。また、LIF発現誘導系統のシロイヌナズナ(XVE::LIFを用いたマイクロアレイ解析の結果、転写因子やtau-typeのGSTを含む多数の遺伝子の発現がLIFの発現に伴って発現誘導または発現抑制されることが分かった。AtSPL5は、オゾン、紫外線、乾燥等の環境ストレスに応答して発現抑制されること、またアブシジン酸(ABA)やサリチル酸等の植物ホルモン処理でも発現抑制されることを見いだした。RNAiによるAtSPL5発現抑制系統(RNAi-、AtSPL5)において、ABA応答性遺伝子rd29A/Bの発現レベルが上昇していた。AtSPL5タンパク質は、C末端近傍にEAR様転写抑制ドメインを含むことから転写抑制因子であると推測される。これらのことから、AtSPL5は、非ストレス時におけるストレス関連遺伝子の転写抑制に関与していると考えられる。
すべて 2005 2004
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Plant J. 41
ページ: 512-523
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