研究課題
下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(Pituitary adenylate cyclase-activating polypeptide、PACAP)は、哺乳類において多機能性ペプチドであると考えられている。一方、魚類においてPACAPがどんな機能を担っているのか、詳細についてはほとんど判っていない。従って、本研究は硬骨魚類におけるPACAPの生理機能を解明することを目前とする。平成16年度の研究成果(1)ミシマオコゼ脳におけるPACAP及びPACAP受容体の分布動態の解明硬骨魚類ミシマオコゼ科のミシマオコゼ(Uranoscopus japonicus)を研究材料として用い、脳内PACAPの分布動態をミシマオコゼPACAPに特異的な抗体を用いて免疫組織化学法によって観察した。また、ビオチン標識したミシマオコゼPACAPを用いてPACAP受容体の分布を組織化学的に観察した。これらの成果は論文として公表した(Matsuda et al.,2004)。(2)ミシマオコゼ脳におけるPACAPの発現量の解析ミシマオコゼ脳におけるPACAP含有量を酵素免疫測定法により測定した。また、脳中PACAP含有量と体重および生殖腺重量との関係を調べた。これらの成果は論文として公表した(Matsuda et al.,2005a,2005b)(3)ミシマオコゼPACAP含有神経線維と各種下垂体ホルモン産生細胞の分布相関PACAP含有神経線維の分布と各種下垂体ホルモン産生細胞との分布を免疫組織化学法によって精査した。この成果は論文として公表した(Matsuda et al.,2005b)。(4)ミシマオコゼ下垂体細胞のホルモン分泌におよぼすPACAPの影響解析下垂体細胞細胞のホルモン分泌におよぼすPACAPの影響をCellブロットアッセイ法によって探った。この成果については学会発表済みであり、論文投稿準備中である。(5)硬骨魚類キンギョ(Carassius auratus)の摂食行動に及ぼすPACAPの影響PACAPの硬骨魚類脳内の分布より摂食調節への関与が推察された。そこでキンギョ脳内へPACAPを投与して摂食行動を抑制性に調節することを明らかにした。これらの成果は論文として公表した(Matsuda et al.,2005c)。
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