研究課題
【背景と目的】下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(Pituitary adenylate cyclase-activating polypeptide、PACAP)は、哺乳類において多機能ペプチドであると考えられている。一方、魚類においてPACAPがどんな機能を担っているのか、詳細についてはほとんど判っていない。本研究は、魚類におけるPACAPの生理的意義を探ることを目的とした。【研究成果】(1)PACAP微量測定系により体内各組織中PACAP量を、定量的RT-PCR法により各組織中PACAP mRNA発現量とPACAP受容体mRNA発現量をそれぞれ測定して、含有量や発現量の変動を探ったところ、成長過程や性差および季節によって発現量が変動する可能性が示唆された。(2)PACAP含有ニューロンと各種腺性下垂体ホルモン産生細胞との分布相関を免疫組織化学的に調べ、また、単離した下垂体細胞のホルモン分泌に及ぼすPACAPの影響をCellブロットアッセイ法により解析したところ、PACAPは、ソマトラクチンやプロラクチンの合成と分泌を共に制御する可能性が見出された。(3)中枢神経系におけるPACAPの機能、特に摂食行動に及ぼす影響を脳室内投与実験により探ったところ、顕著な食欲調節機能を有することが判った。これらの研究課題は現在進行中であるが、本研究により、神経ペプチドPACAPの機能は魚類において多様であることが判明しつつある。これらの成果は、国際専門誌に12編の原著論文として公表(掲載決定を含む)した。また、現在、投稿論文1編が審査中である。
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