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2005 年度 実績報告書

両生類の水適応から見た水チャネルアクアポリン

研究課題

研究課題/領域番号 16570052
研究機関静岡大学

研究代表者

田中 滋康  静岡大学, 理学部, 教授 (90146233)

研究分担者 鈴木 雅一  静岡大学, 理学部, 助教授 (60280913)
キーワード水チャンネル / アクアポリン / cDNAクローニング / バソプレシン / ハイドリン / 皮膚腺 / 水適応 / 無尾両生類
研究概要

カエルは,下腹部皮膚で水吸収したり,膀胱から水の再吸収をすることで,水バランスを維持している。カエルの生活様式は,樹上,陸上,半陸上,水中に分けられ,水に対する適応が異なる。カエル下腹部皮膚からのアクアポリン(AQP) cDNAクローニングやアマガエルAQP抗体の交差反応性を利用した免疫反応によって,水適応の異なるカエルのAQP遺伝子やタンパク質の発現を調べた。膀胱では,全種のカエルにおいてAQP-h2様タンパク質が検出され,AQP-h2様遺伝子が膀胱における普遍的なAQPであること,バソプレシン(AVT)によるカエル膀胱からの水吸収調節にはAQP-h2ホモログを介した共通の機構が備わっていることが示唆された。下腹部皮膚では,AQP-h3タンパク質/遺伝子は全てのカエルで発現しているが,AQP-h2様タンパク質は樹上性や陸上性のカエルのみに検出される。水の乏しい環境に適応するために,この2つのAQPが必要と考えられる。カエルではAVTの生合成過程で生理活性をもつ中間ペプチドであるハイドリン1(AVT-GKR),ハイドリン2(AVT-G)が分泌されていて,水環境への適応との関係が示唆されていた。ハイドリンとAQPの関連性を調べるために,ディフュージョンチャンバーを用いた水透過量の測定とAQP-h2およびAQP-h3の局在を調べた。ハイドリンによってAQP-h2とAQP-h3は顆粒細胞のアピカル膜へ輸送され,水透過量はAVT>ハイドリン>ハイドリン1の傾向を示し,この結果に対応して両AQPのアピカル膜への移動も観察された。また,皮膚や膀胱の顆粒細胞の側底膜の局在するAQP-h3BLをクローニングした。さらに,アフリカツメガエルの皮膚から哺乳類のAQP5に相同なAQP-X5をクローニングし,このAQP-X5は小顆粒腺粘液腺の分泌細胞アピカル膜に局在することを示した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Gene expression of vascular endothelial growth factor-A in the pituitary during formation of the vascular system in the hypothalamic-pituitary axis of the rat.2006

    • 著者名/発表者名
      Takashi Nakakura
    • 雑誌名

      Cell and Tissue Research 324

      ページ: 87-95

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Immunocytochemical and phylogenetic distribution of aquaporins in the frog ventral shik and urinary bladder.2005

    • 著者名/発表者名
      Shigeyasu Tanaka
    • 雑誌名

      Annuals of the New York Academy of Science 1040

      ページ: 483-485

  • [雑誌論文] Seasonal expression of LHβ and FSHβ in the male newt pituitary gonadotrophs.2005

    • 著者名/発表者名
      Yoshihiko Kono
    • 雑誌名

      General and Comparative Endocrinology 141

      ページ: 248-258

  • [雑誌論文] Immunocytochemical studies on translocation of phosphorylated AQP-h2 protein in granular cells of the frog urinary bladder before and after stim with vasotocin.2005

    • 著者名/発表者名
      Takahiro Hasegawa
    • 雑誌名

      Cell and Tissue Research 322

      ページ: 407-415

  • [雑誌論文] Roles of CTPL/Sfxn3 and Sfxn family members in pancreatic islet.2005

    • 著者名/発表者名
      Yukako Yoshikumi
    • 雑誌名

      Journal of Cellular Biochemistry 95

      ページ: 1157-1168

  • [雑誌論文] 下垂体糖蛋白質ホルモン-αサブユニット2005

    • 著者名/発表者名
      平井 俊郎
    • 雑誌名

      日本臨床 68

      ページ: 186-189

  • [図書] みずみずしい体のしくみ 水の通り道「アクアポリン」の働きと病気.(第19回「大学と科学」公開シンポジュム講演収録集)2005

    • 著者名/発表者名
      佐々木 成
    • 総ページ数
      183
    • 出版者
      クバプロ

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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