ストレス刺激に曝さらされた雄ラットの球海綿体脊髄核(SNB)運動ニューロンのアンドロゲン受容体の発現調節の解析に関し、次の結果が得られた。 (1)拘束ストレスに曝された雄ラットの血中テストステロン量は対照(正常雄ラット)のそれに比べ著しく減少した。 (2)拘束ストレスに曝された雄ラットのSNB運動ニューロンのアンドロゲン受容体の免疫活性は対照のそれに比べ著しく低下した。 (3)拘束ストレスと同時にテストステロンを含有したサイラスティックチューブを皮下に植え込んだラットの血中テストステロン量は対照のそれに比べ有意な差はなかった。 (4)拘束ストレスと同時にテストステロン処理されたラットのSNB運動ニューロンのアンドロゲン受容体の免疫活性は対照のそれに比べ有意な差はなかった。 以上の結果から、拘束ストレスによって低下した雄ラットのSNB運動ニューロンのアンドロゲン受容体の発現はテストステロンを補充することによって正常レベルに回復することが分かった。拘束ストレス下においてテストステロンはSNB運動ニューロンのアンドロゲン受容体の発現を増加方向に調節していると考えられる。
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