研究課題
雄イモリ肛門腺から同定されたペプチド性雌誘引物質"ソデフリン"の生理作用を解明することを目的として研究を行った。これまでの研究で雌誘引物質の受容器官と確認された雌嗅上皮の各部位でソデフリンを作用させた結果、鼻腔外側部において最大の電位変化(嗅電図応答)が生じること、また、この部位における細胞内Ca濃度の上昇が見られることを新たに確認した。一方、DiIの注入によりこの部位から副嗅球への投射がすでに確認されている。そこで、鼻腔外側部に対しソデフリン刺激を行ったところ副嗅球およびその周辺部における神経細胞において雌誘引物質に対する応答性が広範囲にみられることを電気生理学的手法(細胞外および細胞内記録法)により確かめた。よって、ソデフリンは鼻腔外側部で受容され、その情報は副嗅球およびその周辺部における神経細胞へ伝達され処理を受けると考えられる。雄イモリ肛門腺にはアンドロステンダイオンやプレグネノロンなどのステロイド群が存在することが最近わかってきた。これらステロイド画分が雌誘引活性を示すこと、それぞれ単独では無効な濃度のソデフリンとステロイド画分を組み合わせると雌誘引活性を持つようになることがわかった。このことからソデフリンとステロイド画分は求愛行動時に協調的にフェロモンとして働く可能性が示唆された。
すべて 2005
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