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2004 年度 実績報告書

原核緑藻プロクロロンと共生する群体ホヤの分類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16570081
研究機関琉球大学

研究代表者

広瀬 裕一  琉球大学, 理学部, 助教授 (30241772)

キーワードジデムニ科群体性ホヤ / 共生 / プロクロロン / 熱帯・亜熱帯 / 分布 / 未記載種 / Diplosoma / 琉球列島
研究概要

昨年度末から今年度にかけて、沖縄島での定期的な調査と平行して、八重山諸島、奄美大島、およびトカラ列島において採集調査を行った。当初、トカラにおける調査は、17年度に計画していたが、分布北限の見通しを立てる上で、早い段階で行なうべきであるとの判断から今年度に実施した。また、Diplosoma midoriの分類学的再検討の為にも、模式産地における採集調査を進めておく必要があった。結果として、Tokioka(1954)が2種のプロクロロン共生種を報告していた中之島・宝島において、新たに5種(未記載種2種を除く)の分布が確認されたのは、本邦におけるプロクロロン共生種の分布を把握する上で大きな成果である。新記録となるこれらの種が単に未発見であったのか、近年の地球温暖化による海水温上昇に伴う分布域の拡大による結果であるのかはわからない。現時点での分布状況を明らかにしておく事で、プロクロロン共生種の分布が温暖化のモニタリングの一つとして利用できる可能性があるだろう。いずれにせよ、北琉球に位置する中之島においても多種のプロクロロン共生種が確認された事で、多くの種にとって分布北限がより高緯度にある事が期待されるので、今後、種子島・屋久島や大隅半島などに調査地点を北進させることが必要となっている。
トカラの調査において、Diplosoma simileやD.virensと明瞭に区別されるD.midoriが採集されていないことで、D.midoriを前2種のいずれかのシノニムとすべき可能性がでてきた。もっとも、Tokioka(1954)の時点でトカラにおいて普通に分布していた本種が、現時点で稀少となっている可能性は否定できない。D.midoriの模式標本は保存状態が悪く、D.simileとD.virensのいずれであるかの判断はできていない。
未記載の2種はいずれもDiplosomaで、沖縄島・八重山からも確認されており、沖縄島を模式産地として新種記載を行い、Zoological Science誌に受理されている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Sexual reproduction of the photosymbiotic ascidian Diplosoma virens in the Ryukyu Archipelago, Japan : vertical transmission, seasonal change, and possible impact of parasitic copepods.2005

    • 著者名/発表者名
      Hirose E, Oka AT, Akahori M
    • 雑誌名

      Marine Biology 146

      ページ: 677-682

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Two new species of Diplosoma (Ascidiacea : Didemnidae) bearing prokaryotic algae Prochloron from Okinawajima (Ryukyu Archipelago, Japan)2005

    • 著者名/発表者名
      Oka AT, Suetsugu M, Hirose E
    • 雑誌名

      Zoological Science 22

      ページ: 367-374

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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