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2006 年度 実績報告書

細胞質タンパク質におけるジスルフィド結合の新しい機能

研究課題

研究課題/領域番号 16570092
研究機関新潟大学

研究代表者

小谷 昌司  新潟大学, 自然科学系, 教授 (60018702)

研究分担者 高橋 由明  新潟大学, 医歯学系, 教授 (60115045)
キーワード脂肪酸結合タンパク / タンパク質分解 / システイン / 酸化ストレス / ジスルフィド結合 / センチュウ
研究概要

細胞質タンパク質のシステイン残基のチオール基はサイトゾルが還元的雰囲気であるため,遊離のSH基として酵素の触媒部位や金属イオンの配位子として機能しているが,機能不明のものも多い。これまでの研究で,このSH基が分子内あるいは低分子チオール化合物と,ジスルフィド結合を形成することを明らかにした。このようなジスルフィド結合の機能をあきらかにするため,脂肪酸結合タンパク(FABP)をモデルに実験をおこなった。センチュウの9種のFABPの組換えタンパクを調製し,酸化ストレス時に生成するグルタチオン化反応を試験管内で高効率で実現するための,実験系をまず検討した。ジアミドと還元型グルタチオンの添加順序,濃度,反応時間等を詳細に検討した結果,いずれのタンパクでもほぼ完全にチオール基のグルタチオン化が可能になる条件を確立した。この方法でセンチュウのFABPをグルタチオン化し,その性質を検討した。またFABP9はグルタチオン化とともに分子内ジスルフィド結合が生成する結果を得た。脂肪酸の結合活性には大きな変化はみられないため,その機能としてはジスルフィド形成により細胞内の酸化ストレスの解消が考えられる。さらにグルタチオン化タンパクはキモトリプシンなどタンパク質分解酵素に対して高い感受性を示した。すなわち,消化開始後30分でグルタチオン化タンパクはほぼ完全に分解したが,もとのタンパクは80%以上残存していた。この様な被分解性の増大の意義として,チオール基が遊離かジスルフィド結合状態かによって,酸化ストレス時に損傷した可能性のあるタンパク質を判別して分解除去するためのシグナルとなっていることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Phosphorylated synaphin/complexin found in the brain exhibits enhanced SNARE complex binding.2007

    • 著者名/発表者名
      Shata A.
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun. 354(3)

      ページ: 808-813

  • [雑誌論文] Carbohydrate specificity of lectins from Boletopsis leucomelas and Aralia cordate.2006

    • 著者名/発表者名
      Koyama Y.
    • 雑誌名

      Biosci Biotechnol Biochem. 70(2)

      ページ: 542-545

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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