• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

ヘムオキシゲナーゼの反応中間体の立体構造に基づく特異的反応の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16570095
研究機関大阪大学

研究代表者

福山 恵一  大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80032283)

キーワードヘムオキシゲナーゼ / 結晶構造 / シアノバクテリア / 光合成色素 / ビリン還元酵素 / PcyA
研究概要

ヘムオキシゲナーゼ(HO)はヘム分解系の主要な酵素であり、酸素と還元力を用いてヘムのα-位を特異的に開裂し、ビリベルジンIXα(BV)、CO、鉄へと分解する。HOは基質であるヘムを結合してヘムタンパク質様の性質を示し、ヘムを補酵素のように使って酸素を活性化するという特徴がある。HOの主な生理学的役割は、哺乳類ではヘムの無毒化と鉄の再利用であるが、ラン藻などの光合成生物では光合成色素の合成である。ラン藻の一種であるSynechocystis sp.PCC 6803では、HOがヘムからBVに変換し、さらにフェレドキシン依存性ビリン還元酵素(PcyA)がBVから光合成色素(ビリン)に変換する。PcyA-BV複合体の結晶構造を1.51Å分解能で決定した。PcyAはα/β/αの三層サンドイッチ構造からなり、BVは中央のβ-シートとC末端α-ヘリックス群の間に、U字型コンフォメーションをとって結合していた。PcyA分子表面の電荷分布から、電子供与体であるフェレドキシンがBV結合部位の表面に結合することが示された。また、PcyAがBVの対称性からのわずかなずれを正確に認識していることが明確になった。本研究の最も注目すべき成果は、PcyAがBVの一見離れた2つの部位を、立体特異的に、しかも順序だった2段階反応で還元するという分子機構を提示したことである。また、本構造情報を基に、機能的に重要と考えられるアミノ酸残基を他のものに置換した変異タンパク質を幾つか調製し、各々の機能を評価した。さらに、PcyAのみの立体構造を2.5Å分解能で決定し、BVの結合に伴うPcyAの構造変化を明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Crystal structure of phycocyanobilin : ferredoxin oxidoreductase in complex with biliverdin Ixα : a key enzyme in biosynthesis of phycocyanobilin2006

    • 著者名/発表者名
      Y.Hagiwara, M.Sugishima, Y.Takahashi, K.Fukuyama
    • 雑誌名

      Proc.Natl.Acad.Sci.USA 103・1

      ページ: 27-32

  • [雑誌論文] 立体構造からみたヘムオキシゲナーゼの反応機構2005

    • 著者名/発表者名
      坂本寛, 杉島正一, 東元祐一郎, 福山恵一, 野口正人
    • 雑誌名

      生化学 77・7

      ページ: 634-638

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi