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2004 年度 実績報告書

ブフネラゲノム情報にもとづく昆虫細胞内共生系維持機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 16570110
研究機関東京大学

研究代表者

森岡 瑞枝  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (20272461)

研究分担者 佐々木 哲彦  玉川大学, 学術研究所, 助教授 (60235257)
キーワード細胞内共生系 / ブフネラ / タンパク質輸送 / 鞭毛 / フック基部(HBB)複合体
研究概要

ブフネラの鞭毛フック基部複合体(HBB)が細胞内共生系においてタンパク質輸送装置として機能しうる可能性を分子生物学的・細胞生物学的側面から検証した。
(1)ブフネラゲノム上のHBB関連遺伝子は偽遺伝子ではなく、26種全てが活発に転写されていることをRT-PCR法により証明した。宿主昆虫の発生段階を通して当該遺伝子群の発現量がどのように推移するか、また無翅型・有翅型アブラムシの間で発現量に差があるか否かを解析するため、各種RNAを調製した。定量的RT-PCRは来年度に実施する。
(2)スフェロプラスト化→DNase・界面活性剤・アルカリ処理による外膜・内膜タンパク質の可溶化→超遠心分離法による、ブフネラHBBの単離法を確立した。
(3)ブフネラの表層構造を電子顕微鏡観察する際、固定操作による膜構造の崩壊を回避できる新たなネガティブ染色法を開発した。本法の適用により、ブフネラ表層には1菌体あたり約1,000にも及ぶHBB様構造が存在することを見出した。このような周毛性細菌はこれまでに報告が無く、(1)および(2)の成果と併せて論文投稿準備中である。無翅・有翅型アブラムシのブフネラでは菌体あたりのHBB数に差が認められたが、詳細な解析は来年度に行う。
(4)共生系におけるタンパク質輸送機構の実体を解析するためのAssay系の構築を試みた。予備実験として単離ブフネラをFITC-標識デキストランとインキュベートし、共焦点顕微鏡により移入の観察を試みたが、ブフネラは自家蛍光が強く標識物質の検討が必要であることが判明した。一方、予め原核性タンパク質合成阻害剤で処理したアブラムシに^<35>S-Metを注射し、宿主タンパク質を標識後、ブフネラを単離し、全タンパク質を2D-PAGEで展開し、放射標識されたタンパク質(=宿主から移入されたタンパク質)をLC-MS/MS法により網羅的に同定する実験を現在展開中である。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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