研究概要 |
3つの異なる軟骨分化段階のLongSAGE libraryから得られたそれぞれ5万タグの情報を解析した。その結果、軟骨分化関連遺伝子を網羅する為に、タグ数を少なくとも1〜2万程度追加する必要があるという結論に達した。そこで、更にシーケンスを行ない、未分化期のlibraryからは71,646(21,503種類)、成熟軟骨期のlibraryからは90,309(26,463種類)、肥大化・石灰化期のlibraryからは67,884(21,908種類)のタグを得た。肥大化・石灰化期のlibraryと比較する為に、成熟軟骨期のlibraryから67,660(21,709種類)のdatasetを作成した。2つのlibraryを比較すると、1070種類のtranscripts(p<0.05)が分化段階特異的に発現していた。未分化期のlibraryと比較する為に、成熟軟骨期のlibraryから71,449(22,543種類)のdatasetを作成し、1,868種類(p<0.05)のtranscriptsが分化段階特異的に発現していることを同定した。これらのtranscriptsには、細胞外基質、転写因子、細胞骨格関連分子、細胞内分子、分泌因子、受容体などが含まれており、その大部分は軟骨分化過程での役割は未知のものであった。SAGEmapに該当する情報が存在しない156種類のタグに関しては、genome databaseを用いて解析を進めるべき遺伝子を検討している。分化段階特異的に発現する50遺伝子を選別し、Northern blot解析を行なったところ、84%がlibraryと同様の発現プロファイルを示した。これらの中から比較的高いレベルで発現している10種類の遺伝子を選別し、in situ hybridizationによって、軟骨性骨原基での発現部位を解析した。
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