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2004 年度 実績報告書

計算機シミュレーションによる核酸立体構造の安定性とダイナミクスの網羅的解析

研究課題

研究課題/領域番号 16570132
研究機関東京大学

研究代表者

中村 周吾  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (90272442)

キーワード核酸 / ミニヘアピン分子 / マルチカノニカル分子動力学法 / フォールディング
研究概要

dGC(GAA)GCおよびdGC(GGA)GCのDNAミニヘアピン分子について、マルチカノニカル分子動力学法で出現確率をフラットにする温度幅を290-600K,290-700K,325-600K,340-500K,350-600Kとさまざまに変えて、アンフォールド状態から構造サンプリングを行い、それぞれの結果を比較することで、最良のシミュレーション条件を探索した。それぞれ数10ns程度のシミュレーションを行い、得られた構造アンサンブルに、ヘアピン構造の中に観測されるステム部の水素結合やloop closing base pairがどの程度形成されているかを解析した。その結果、出現確率をフラットにする温度の下限を290Kにした場合、シミュレーションの途中にエネルギーの谷に落ち込んで、そのままその谷の中に構造がとどまってしまうという現象がみられた。温度の下限を325K以上にした場合は、そのような現象はほとんど起きなかった。また温度の下限を340K以上にした場合は、ヘアピン構造に近い構造がほとんどサンプルされなかった。主なシミュレーション対象と考えているdGC(GNA)GCの4種類の融解温度が60℃以上であることを考え合わせると、低エネルギーのヘアピン構造をサンプリングするためには、温度の下限が高すぎると考えられた。以上より、マルチカノニカル分子動力学法で出現確率をフラットにする温度幅を、325K-600Kと決定した。
また、ヘアピン構造を1回形成したdGC(GAA)GCについて、ヘアピン構造形成と崩壊の過程を詳細に解析した。具体的には、水素結合のパターンによって遷移状態を分類し、ヘアピン構造形成と崩壊のパスウェイをみた。12塩基から成るRNA4ループヘアピン分子について天然構造から通常の分子動力学シミュレーションによって崩壊を解析したSorinらの研究結果では、ヘアピンの形成・崩壊のパスウェイとして、zipping/unzippingとcompaction/expansionの2種類が提案されているが、dGC(GAA)GCの場合は、compactionによるヘアピンの形成であると結論付けた。ヘアピン形成のシミュレーション結果の内容については、インドネシア・バイオテクノロジー・カンファレンス2004(IBC2004)における招待講演で発表した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Distributed shared arrays : Portable shared-memory programming interface for multiple computer systems2005

    • 著者名/発表者名
      A.Nomoto, Y.Watanabe, W.Kaneko, T.Terada, S.Nakamura, K.Shimizu
    • 雑誌名

      Proceedings of the 2004 Symposium on Applications & the Internet (印刷中)

  • [雑誌論文] Improvement of accuracy of free-energy landscapes of peptids calculated with generalized Born model by using numerical solutions of Poisson's equation2004

    • 著者名/発表者名
      T.Ishizuka, T.Terada, S.Nakamura, K.Shimizu
    • 雑誌名

      Chemical Physics Letters 393

      ページ: 546-551

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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