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2005 年度 実績報告書

細菌毒素蛋白質の構造生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16570134
研究機関京都大学

研究代表者

北所 健悟  京都大学, 低温物質科学研究センター, 助手 (60283587)

キーワード細菌毒素 / X線構造解析 / タンパク質結晶学 / 感染症 / 放射光 / ジフテリア毒素 / パスツレラ菌 / ウエルシュ菌
研究概要

細菌感染症の病原因子として注目されてきた細菌の生産するタンパク毒素の研究は、病原体の自然界における感染のメカニズムを理解する上で非常に重要である。3種類の細菌毒素タンパク質の構造決定を目的として、それぞれの毒素の結晶化を行い、構造解析を試みた。
1)ジフテリア毒素蛋白質の変異体(CRM197)の構造解析。
ジフテリアはジフテリア菌の感染によって起こる急性伝染病で、ジフテリア毒素は、ジフテリア菌Corynebacterium diphtheriaeが産生する分子量58,000の蛋白質である。このジフテリア毒素蛋白質の変異体であるCRM197は、52番目のグリシンがグルタミン酸に変異したものであり、これまで全く毒性を示さないことから、現段階でジフテリア毒素のワクチンとして開発されている。この毒素タンパク質変異体についてPEGを沈殿剤として結晶化を行い、Spring-8のBL44XU並びにPFのBL6Aのビームラインで測定を行い、2.6Å分解能のデータ収集を行った。分子置換法の手法を用いて構造決定したところ、今まで見られなかった、ドメイン間を結ぶループ部分と、52盤面のグルタミン酸部分についても構造を知ることが出来た。現在、更なる高分解能データの収集を目指した詳細な構造の解析が進行中である。
2)パスツレラ(Pasteurella multocida)が産生する毒素(PMT)のX線構造解析。
PMTの活性ドメインを含むC末端の715残基について発現、精製を行い、結晶化したところ板状の結晶が得られ、1.8Å分解能の回折点を与えるものであった。Hg誘導体を用いたSIRAS法により、位相を決定し、立体構造の構築を行うことができた。その結果、このC末のPMT活性ドメインは、3つのサブユニットからなり、α/β構造を有する新規な立体構造を持つことがわかった。現在、精密化を行い、更なる詳細な構造の構築が進行中である。
3)ウエルシュ菌(Clostridium perfringens)が産生するエンテロトキシン(CPE)のX線構造解析
食中毒の原因菌であるCPEは、標的細胞の細胞膜に孔をあけて細胞を破壊する膜孔形成毒素である。このCPEについても、3.8Å分解能のデータ収集をSpring-8のBL44XUのビームラインで行った。更にMAD法での解析を目的として、Se-MetラベルしたCPEについても同様に3.8Å分解能のデータ収集を行った。更なる結晶化条件の検討が進行中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Structural Biology of Clostridium perfringens Toxin.2005

    • 著者名/発表者名
      Kitadokoro K., Miyazawa M, Horiguchi Y.
    • 雑誌名

      Spring-8 User Experiment Report, 14

      ページ: 292

  • [雑誌論文] X-ray structural analysis of Pasteurella multocida toxin by the MAD methods.2005

    • 著者名/発表者名
      Kitadokoro K., Miyazawa M, Kamitani S, Horiguchi Y.
    • 雑誌名

      Spring-8 User Experiment Report, 15

      ページ: 179

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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