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2005 年度 実績報告書

AAA型ATPaseに隠されたオルガネラアダプターの分子基盤

研究課題

研究課題/領域番号 16570136
研究機関横浜市立大学

研究代表者

廣明 秀一  横浜市立大学, 大学院・国際総合科学研究科, 準教授 (10336589)

キーワード機能性タンパク質ドメイン / 核磁気共鳴法(NMR) / ドメイン解剖学 / 後期エンドソーム / チューブリン / 細胞骨格 / MITドメイン / 配列相同性
研究概要

AAA-ATPase(ATPases associated with diverse cellular activities)は、細菌からヒトまで広く保存されているタンパク質ファミリーであり、その分子中央部分に、約200アミノ酸残基からなるAAA-ATPaseドメインを有することを特徴とする。これらの分子は、ATP加水分解エネルギーを利用して、タンパク質のunfoldや複合体の解離を行う点が共通していると考えられる。AAA-ATPaseはこのAAA-domainを一つ有するType Iと2つ有するType IIに大別される。また、プロテアソーム19SサブユニットのようにN末端部分にドメインを持たないもの、NSFなどのようにN末端に250残基程度の配列を有するもの、PEX1のように更に長い(~500残基)配列を有するものなどがある。研究代表者らはAAA-ATPaseのN末端部分に存在する、各分子固有の配列を解析し、そこから構造決定可能な新規タンパク質ドメインを単離した.
具体的には,チューブリンを切断するAAA酵素katanin p60サブユニットと,核内でリボソーム複合体のアセンブリに関与するNVL2から,新規のN末端ドメインを単離し,発現精製の後NMR解析を行った.両者とも核となるドメインの直後にコイルドコイル領域が存在し,その部分の配列をデザインし欠失変異を導入することで,はじめて立体構造解析可能な試料を得ることができた.現在両者のドメインについて,立体構造決定の精密化の途上であり,基本フォールドが明らかになった.合わせてモデルとなるコイルドコイルの分子設計に関しても構造学的知見を得た.
また,katanin p60類縁のType I酵素Vps4のN末端から,構造未知のMITドメインを単離し,その立体構造決定を行った.MITドメインには,標的となるESCRT-III複合体の結合部位と考えられる,分子表面の特徴的な溝が存在することが明らかになった.
さらにN末端ドメインをもたないプロテアソームについては,基質認識を行うシャトル因子と呼ばれる別のタンパク質が介在しているが,そのうちの一つDsk2についてUBAドメインとユビキチン複合体の構造決定を行った.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] ペルオキシソーム因子PEX1 ATPaseのN末端ドメインの立体構造が示したAAA ATPase間の進化的類縁関係2006

    • 著者名/発表者名
      廣明 秀一, 塩澤久美子, 富井健太郎
    • 雑誌名

      生物物理 46(3)(印刷中)

  • [雑誌論文] Structure of the UBA domain of Dsk2p in complex with Ubiquitin : Molecular Determinants for Ubiquitin Recognition.2005

    • 著者名/発表者名
      Ohno, A., Jee, J., Fujiwara, K., Tenno, T., Goda, N., Tochio, H., Kobayashi, H., Hiroaki, H., Shirakawa, M^*
    • 雑誌名

      Structure 13

      ページ: 1-12

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Optimization of size complementary of the aromatic side chain in the hydrophobic core of the designed coiled-coil.2005

    • 著者名/発表者名
      Sakurai, Y., Mizuno, T., Hiroaki H., Oku, J.I., Tanaka, T^*
    • 雑誌名

      J Pept Res 66

      ページ: 387-394

  • [雑誌論文] Continuous Designed Cation-pi Interactions Increase the Thermal Stability of an α-Helical Coiled-coil.2005

    • 著者名/発表者名
      Sakurai, Y., Mizuno, T., Hiroaki, H., Gohda, K., Oku, J.I., Tanaka, T^*.
    • 雑誌名

      Angewandte Chem Int Ed 44

      ページ: 6180-6183

  • [雑誌論文] Structural characterization of the MIT domain from human Vps4b.2005

    • 著者名/発表者名
      Takasu, H., Jee, J.G., Ohno, A., Goda, N., Fujiwara, K., Tochio, H., Shirakawa, M., Hiroaki, H^*
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun 334

      ページ: 460-465

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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