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2005 年度 実績報告書

DNA輸送に関わるタンパク質についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 16570137
研究機関東京薬科大学

研究代表者

玉腰 雅忠  東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (10277254)

キーワードDNA輸送 / タンパク質 / 遺伝子 / 微生物 / バクテリオファージ / 形質転換
研究概要

高度好熱菌Thermus thermophilusのpilT遺伝子産物はヌクレオチド結合ドメインをもち、相同検索の結果から線毛の収縮に関わると思われている。その遺伝子欠損株は他の生物種とは異なり、DNAの取り込みには関与しないことが報告されていたが、その他の線毛関連現象については調べられていなかった。そこでpilT遺伝子欠損株を作製したところ、ファージに対しては抵抗性を獲得し、twitchingが起きなくなった。したがって他の生物種とは異なり、T.thermophilusのpilT遺伝子はファージ感染とtwitchingのみに関わることがわかった。また他の生物種のpilT遺伝子欠損株は線毛が過剰発現することが知られているが、電子顕微鏡観察の結果、T.thermophilusでは野生株と同様の線毛が同程度見られた。
一方、pilT遺伝子とオペロン構造をとり、同様にヌクレオチド結合ドメインをもつpilF遺伝子産物は遺伝子破壊されるとDNA輸送が起きない。そのN末端にヒスチジンタグを付加した蛋白質を発現する好熱菌を作製した。その株を超音波破砕後、不溶性画分を可溶化し、ニッケルカラムを通した。野生株とは異なるピークのペプチドシークエンスを行ったところ、pilF蛋白質のアミノ酸配列を確認できた。予想されるアミノ酸配列からは膜貫通領域はないと思われているが、上記の結果からこのタンパク質は膜にゆるく結合していることが予想される。
また線毛に依存してT.thermophilusに感染する溶菌ファージYS40とTMAの全ゲノム配列を調べたところ、宿主を直接認識すると思われるdistal tail fiberの遺伝子が見つかった。両ファージの遺伝子配列を比較した結果、C末端側に30アミノ酸の挿入(欠失)が認められ、この領域の違いによって両ファージの宿主認識能が異なることが推定された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Two-dimensional crystallization and analysis of projection images of intact Thermus thermophilus V-ATPase2006

    • 著者名/発表者名
      Gerle, C., et al.
    • 雑誌名

      J.Struct.Biol. Vol.153

      ページ: 200-206

  • [雑誌論文] Structure of a central stalk subunit F of V-type ATPase/synthase from Thermus thermophilus2005

    • 著者名/発表者名
      Makyio, H., et al.
    • 雑誌名

      EMBO J. Vol.24

      ページ: 3974-3983

  • [雑誌論文] N^1-aminopropylagmatine : A new polyamine produced as a key intermediate in polyamine biosynthesis of an extreme thermophile, Thermus thermophilus.2005

    • 著者名/発表者名
      Ohnuma, M. et al.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. Vol.280

      ページ: 30073-30082

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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