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2004 年度 実績報告書

開始タンパク質の濃度を介した複製開始制御

研究課題

研究課題/領域番号 16570143
研究機関名古屋大学

研究代表者

小川 徹  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80109256)

キーワードDNA複製 / 複製開始 / IHF / datA / oriC / DnaA
研究概要

大腸菌ゲノム上に存在するdatA領域は、複製開始タンパク質DnaAを多量に結合することにより遊離DnaAの濃度を低下させ、過剰な複製開始を抑制する事をこれまでに明らかにしてきた。このような複製制御の機能は他のDnaA結合部位には見られず、datAに固有と考えられる。本研究ではこのdatA固有の多量DnaA結合の分子機構を解析し以下の結果を得た。
1.datA変異株の作成と解析
datA内には5つのDnaA認識配列(DnaA box)が存在し、このうち2番目と3番目のDnaA boxは、datAが複製制御を行う上で必須である。これらの2つのDnaA boxの間にIHFタンパク質の結合配列が存在する。染色体上のIHF結合部位に変異を導入した株はdatA欠失株と同様に過剰開始反応を行うことから、実際にIHFが細胞内で開始制御に関与すると考えられる。DnaA boxとIHF結合部位の近傍のいろいろな部位に変異を導入した株を作成し、フローサイトメトリーによる解析を行った。その結果、DnaA boxへの少量のDnaA分子の結合が引き金となって、IHFにより折り曲げられたdatA領域全体に、秩序正しい3次元構造の変化が引き起こされながら多量のDnaA分子が結合するというモデルが示唆された。
2.試験管内での結合実験
ビアコアを用いた表面プラズモン共鳴の解析から、DnaAはdatAに対してoriCと同程度の速度で会合し、一方、解離速度はoriCに較べて速いことが明らかになった。細胞内ではdatAはoriCに較べて数倍多量のDnaA分子を結合すると見積もられているが、試験管内では同程度の分子数の結合が観察された。従ってIHFがdatAへのDnaAの結合量を上昇させることが期待された。しかしながら、いろいろ条件を検討しても、結合量の上昇は観察されなかった。他の未知の因子の関与が考えられる。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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