研究課題
基盤研究(C)
申請者らはα-カテニンおよびこれを含むカドヘリン・カテニン接着複合体の機能を細胞レベルで解析するためα-カテニンの遺伝的欠失細胞(大腸癌由来細胞)にα-カテニンcDNAを導入し、安定発現株を作成した。α-カテニン発現細胞では浮遊集塊培養の際に増殖抑制が起こる。これまでカドヘリン・カテニン依存性のアポトーシス抑制シグナル(J.Cell Biol.誌154;573)の解析に用いてきた培養皿に接着した状態(低密度)では増殖の抑制は起こらないので、アポトーシス抑制とは別のシグナルが働いていると判断し、この増殖抑制シグナルの解析をおこなった。抗カドヘリン阻害抗体によって細胞間接着を阻害したときには増殖抑制は起こらなくなること、また、α-カテニン分子の中央部もしくはC末端部を欠損させても増殖抑制作用をもっていることが明らかになった。さらに、RBファミリータンパクのp130など細胞の増殖制御やシグナル伝達にかかわると考えられる複数のタンパクでリン酸化状態の変化や分子量の違いが確認された。ひき続きアルマジロファミリーに属するタンパクP120に着目して研究をおこなった。P120は多くのリン酸化部位を持ちウェスタンブロットでは分子量の異なるマルチバンドとして検出される。一方でこの分子はカドヘリンの細胞内ドメインに結合するとともに微小管とも結合することが示されており、さらには、シグナル伝達にも関与することが示唆されている。実験の結果、α-カテニン発現細胞と非発現細胞はウェスタンブロットにおけるマルチバンドのパターンが異なることが明らかになった。これがリン酸化レベルの違いによるものかはなお検討中であるが、この違いは浮遊集魂培養のみではなく通常の培養皿に接着した状態でも認められることが判明した。
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ページ: 1003-1008.
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