研究概要 |
1.血小板におけるRap1活性化反応の解析 血小板に存在するRap1活性化の機能を明らかにするために、血小板活性化時におけるRap1活性化とインテグリンの活性化、放出反応、チロシンリン酸化などの反応との関連を解析した。特にGPVIを介した活性化において、Rap1の活性化は従来報告されているインテグリン活性化反応との関連よりもむしろ放出反応と強い関連性を持つことを見出した。このことはRap1活性化反応が放出反応に関与していることを示唆している。 またこの反応にPI 3-kinaseのp85αを介したチロシンリン酸化反応が関与していることを示すことができた。(Thromb Res, in press) 2.Rap1と相互作用する蛋白の同定 Rap1の具体的な機能を明らかにするためRap1と相互作用する蛋白の検索を行っている。GSTと融合したRap1の活性化型Rap1V12および非活性化型のRap1N17を大腸菌を用いて調整し、このRap1に結合する血小板蛋白を2次元電気泳動により分離した後、質量分析にて各スポットの同定を行っている。 3.血小板内への蛋白質導入法の検討 TAT, ANTなどの導入配列を持ったペプチドを用いる方法、シグナル配列のような疎水性の配列ペプチドを用いる方法及びエレクトロポレーションを用いる方法などを検討した。これらの中ではミリスチン酸やパルミチン酸などの脂肪酸を結合させたペプチドが比較的良い結果を示した。
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