• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

脳の初期発生における新規遺伝子arfの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 16570172
研究機関京都大学

研究代表者

花岡 龍毅  京都大学, 医学研究科, 研究員(科学技術振興)(常勤形態) (70362530)

研究分担者 川原 敦雄  京都大学, 医学研究科, 研究員(科学技術振興)(常勤形態) (10362518)
キーワードゼブラフィッシュ / 脳・神経発生 / 体節形成 / 血球細胞の発生
研究概要

arf(anterior brain regulating factor)遺伝子は、ゼブラフィッシュの脳の初期発生に関与することが予想される新規の遺伝子である。私たちは、この遺伝子の機能を解明するために、次のような実験を行った。
1.以前の研究により、arfが、将来、前脳を形成する予定領域で発現することが分かっていたが、今回、さらに体節にも発現していることが明らかになった。モルフォリノオリゴヌクレオチド(MO)を用いてarfの機能を抑制した胚(arf-MO)において、体幹部の著しい屈曲が見られることも考えあわせると、arfが脳の形成以外に、体節の形成にも関与している可能性がある。
2.arf-MOにおけるマーカー遺伝子の発現パターンの解析を行った。前脳(emx1,dlx2,six3)、視蓋(mbx)、前脳・中脳境界(pax2.1a)、optik stalk(pax2.1a)、体節(Fakla)の発現パターンは野生型胚と変わらなかったが、全く意外なことに、血球の前駆細胞におけるtbx6の発現が完全に消失していることが分かった。
3.arf-MOにおいて形態学的な細胞死が観察されていたので、これをさらにTUNEL法で詳細に調べた所、予想に反して、細胞死は全身に認められ、頭部のみに限局してはいないことが分かった。
4.arf-MOにおける神経軸索の走行を抗acetylated αtubulin抗体で調べているが、現時点ではまだデータが出ていない。
平成16年度における本研究によって、arf遺伝子が脳の形成のみならず、体節や血球細胞の形成にも関与している可能性が示唆された。おそらく、この遺伝子は、ゼブラフィッシュの初期発生において多様な役割を担っているきわめて重要な遺伝子の一つであると考えられる。

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi