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2005 年度 実績報告書

脳の初期発生における新規遺伝子arfの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 16570172
研究機関京都大学

研究代表者

花岡 龍毅  京都大学, 医学研究科, 科学技術振興研究員 (70362530)

研究分担者 川原 敦雄  京都大学, 医学研究科, 科学技術振興助教授 (10362518)
キーワード脳・神経の初期発生 / 体節形成 / ゼブラフィッシュ
研究概要

我々は、ゼブラフィッシュの初期発生過程において、頭部が形成される予定領域に特異的な発現を示す新規遺伝子arf(anterior brain regulating factor)を同定しており、本研究では、arf遺伝子の機能解析を行った。まず、arf遺伝子の発現領域をWhole-mount in situ hybridization法により詳細に調べた結果、(1)arf遺伝子は、原腸陥入後期から前脳や中脳へと分化する予定領域に強く発現していること、および体節期には、新たに形成された体節に発現していることが分かった。次に、arf遺伝子の機能阻害実験をモルフォリノ・アンチセンスオリゴ(arf-MO)を用いて解析を行った。(2)arf-MOによるarf遺伝子の機能阻害により、予定前脳や中脳領域の低形成および体幹部の著しい屈曲が認められた。これらの異常は、arf遺伝子の発現領域と強い相関性が認められた。このことから、arf遺伝子が脳および体節の形成に関与している可能性が示唆された。これらの異常が、細胞死の亢進によるものかTUNEL法を用いて調べた。(3)頭部や体幹部に加え、かなり広範囲での細胞死が検出された。arf遺伝子は、液性因子と考えられるので、広範囲に影響を与えていることが考えられた。そこで、arf遺伝子のmRNAを合成し、ゼブラフィッシュ胚にインジェクションし、強発現実験を行った。(4)10体節期と受精後24時間の胚を詳細に調べてみたが、形態上の変化は特に認められなかった。以上の結果から、arf遺伝子が、ゼブラフィッシュの初期発生において、頭部の領域化や体節の形成過程を制御している可能性が示唆されたが、今後、arf遺伝子が、どのような分子メカニズムを介して制御しているか明らかにしていく必要がある。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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