研究課題
ツメガエル透明化割球を用いて、MBT期以降での細胞周期の延長(非同調化)の実体を明らかにするため、遠心胚をCa^<2+>-free培養液中で発生さ、第8卵割くらいになるとほぼ透明な細胞質のみをもつ単離割球が多数得た。個々の割球(細胞)での1回の細胞周期内での核DNA量の増加を測定するために、生体染色用のDNA結合性蛍光色素(Hoechst 33342)で透明化割球を処理した。極めて弱い紫外線を極めて短時間照射した。高感度デジタルカメラを用いて核内のDNAの蛍光強度を継続的に測定し、1回の細胞周期でのG1期、S期、G2期を算出した細胞周期が伸びて非同調になる分裂転換は、まず、S期とM期が全周期に比例して伸長し、その後にG2期が、その後にG1期が加わることによってさらに細胞周期が伸長することを明らかにした。受精直後の卵にEGFP結合PCNAのmRNAを注入し卵割期中にEGFP-PCNAタンパク質を発現させた。細胞質中にEGFP-PCNAタンパク質をもつ胚から透明化割球を作成し、共焦点レーザー顕微鏡を用いてArレーザー光を照射してEGFPの蛍光をリアルタイムで観測した。蛍光立体再構築像をつくり、核内でのPCNAタンパク質の複製開始点を観察を試みた。しかし、まだ複製開始点の数が多く、個々の開始点を解析するには解像度低かった。受精直後の卵にCaイオン感受性蛍光指示薬(Oregon-Greenデキストラン)を注入後、透明化割球を作成した。その後の分裂細胞内でのCaイオン濃度分布の変化(蛍光強度変化)を共焦点レーザー顕微鏡を用いてリアルタイムに解析した。低分子蛍光分子は核内に入り、細胞周期の進行にともなって蛍光強度が増加したが、M期になると消失した。また、細胞室内では約8分周期のオシレーションがみられ、細胞周期決定の時計機構が存在する可能性が示唆された。
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Development, Growth & Differentiation (印刷中)