研究概要 |
1)位置ぎめ分子の実体の一つは細胞膜結合分子であるエフリンおよびそのリセプターである。この2つの分子の機能を広島大学で行われた国際シンポジウムで招待講演する機会があった(第14回日本数理生物学会年会[9/24]で行われたInternal Symposium "Frontier of Mathematical Biology. Part 2. Mathematics toward biological pattern formation")。 細胞の位置ぎめのためにはエフリンおよびそのリセプター、2つの分子が一つの細胞の中で反比例の関係を保ちながら発現しなくてはならない。これが実現する反応系を考えた。(「非線形・非平衡現象の数理」第4巻に発表予定) 2)エフリンおよびそのリセプターが行うbilateral threshold制御が、魚の網膜-視蓋投射再生実験で見られるexpansion, compression, transpositionの現象を説明できることを示した論文が刊行された。(Develop.Growth Differ.46(No.5):425-437) 3)位置ぎめ現象を行う場として、3D多面体細胞モデルを使った形態形成のシミュレーションを計画しているが、このモデルをはじめて記述した論文が刊行された(J.Theor.Biol.226(No.4)439-453.)。 またこのモデルを使って細胞塊が胞(上皮細胞よりなる袋)を形成するシミュレーションを学会で発表した(日本生物物理学会:第42回年会[12/13])。
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