• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

深海生物の起源と進化:シンカイヒバリガイ類の系統解析

研究課題

研究課題/領域番号 16570186
研究機関筑波大学

研究代表者

宮崎 淳一  筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (80229830)

研究分担者 藤原 義弘  海洋研究開発機構, 海洋生態環境研究部, 研究員 (20344294)
キーワード化学合成生物群集 / 熱水噴出孔 / 冷水湧出帯 / 分散 / 分断 / 種分化 / 共生細菌 / 分岐年代
研究概要

本年度の研究実施計画に従い、海洋研究開発機構(旧海洋科学技術センター)によるニューギニア沖のラウ海盆の調査研究などによって採集されたシンカイヒバリガイ類および他の研究機関による深海調査の際に採集されたものを入手し、2つの分子生物学的手法によって種間及び種内集団間の系統関係の解析を行った。
まず、蛋白質の2次元電気泳動により、シンカイヒバリガイ類の足の筋肉の構成蛋白質の比較を行い、系統樹を作製した。その結果、シンカイヒバリガイ類は、共生細菌としてメタン酸化細菌をもつグループとイオウ酸化細菌をもつグループに大別されることを示した。さらに詳細な系統解析を行うために、ミトコンドリアCOI遺伝子およびND4遺伝子の塩基配列の決定・比較を行った。得られた系統樹は、蛋白質の2次元電気泳動によって得られたものに一致するとともに、イオウ酸化細菌をもつグループはさらに2つのサブグループに分けられることを示した。また、遺伝学的に新種と判断されるシンカイヒバリガイ類が少なからず存在することが明らかとなった。種内集団間の解析によって、相模湾と沖縄トラフ生息する種では、1500km離れた両生息地の間で遺伝的交流があることを示した。さらに、インド洋と西太平洋の各々に生息する3種は、遺伝的には大きな相違はなく、10000kmも離れた生息地の間で無視できないほどの遺伝的交流があることを示し、深海生物の分散を新たな視点から検討する必要があることを明らかにした。
それらの結果を統計学的に解析することによって、データの信憑性を評価するとともに、シンカイヒバリガイ類の分布拡大と種分化の過程の大筋を、生息地の分布を考慮し、分岐年代を推定することによって検討した。
現在、上記の結果をまとめ、論文を作成である。

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi