研究概要 |
日本先史時代として、縄文時代と弥生時代を対象とし、幼児骨格(未成人骨格)の形態データから日本先史時代集団の成長の一端を説き明かそうという目的で研究を始めた。今年度は研究計画にもとづき、以下のことを実行した。 1.縄文時代人、弥生時代人未成人骨格のデータベース作成 日本全国で行われてきた考古学調査の発掘報告書を検索し、縄文時代人、弥生時代人の未成人骨格のデータベースを構築した。まだ完全に網羅できてはいないが、来年度以降の資料調査のベースとなるものは整った。また、報告書レベルで計測値データの記載のあるものをコンパイルした。 2.縄文時代人・弥生時代人未成人骨格の計測データ収集 弥生時代未成人骨格は九州大学所蔵の資料を、縄文人骨に関しては京都大学に所蔵されている資料を観察、データ収集を行った。 3.頭蓋3次元座標データの収集 購入した3次元ディジタイザを用いて、頭蓋の解剖学的特徴点の3次元座標を取り込み、このデータをもとに成長を分析する方法について、試みを始めた。また、実際の縄文・弥生時代未成人頭蓋のデータを収集した。 来年度以降、データ量を増やすと共に、本年度1,2で得られたデータを分析し、全身的な成長(大腿骨長、上腕骨長)から身体各部位のプロポーション、頭蓋の形態変化などについて結果を報告していく予定である。
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