• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

冬季一年生雑草における発芽と開花の季節性と機会性を制御する種子温度応答機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16580009
研究機関東北大学

研究代表者

吉岡 俊人  東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (10240243)

キーワード冬季一年草 / 温度応答 / 生活環進化 / 種子発芽 / 開花タイミング / 高温発芽阻害 / 未発芽種子バーナリゼーション / アブシジン酸
研究概要

発芽の季節性制御機構の解析:高温発芽阻害の生理的メカニズム
冬季一年草の種子発芽タイミングは高温発芽阻害によって決定され、高温発芽阻害には温度によるアブシジン酸(ABA)の生合成と感受性の調節が関与する。そこで、種子内でのABA生合成部位を特定するために、種子発芽研究のモデル材料であるレタスよりABA生合成の鍵酵素である9-シス-エポキシカロチノイドジオキシゲナーゼ(NCED)遺伝子5種類(LsNCED1-5)を単離し、農業生物資源研究所に滞在して発現解析を進めた。これまでのところ、水ストレス応答性のLsNCED3は種子の温度応答に関与しないことが明らかになった。しかし、LsNCEDは、種子内での発現量がノザン法で解析できないレベルであり、in situハイブリダイゼーションを行うことが困難であった。マイクロダイセクションなどの方法を検討する必要があると判断された。
開花と発芽の機会性制御機構の解析:未発芽種子バーナリゼーションと2次休眠誘導のトレードオフ
冬季の低温は未発芽種子バーナリゼーションによる開花の機会性および種子2次休眠による発芽の季節性という対極的な性質を誘導する。そこで、海外共同研究者のマイケル・フェナー博士(英国サウサンプトン大)と共同研究を進めて英国および日本に分布する冬季一年草17科63属130種187系統の種子を収集し、種子低温応答性と生活環との関係を種間比較した。その結果、冬の低温によって種子に2次休眠が誘導されるか未発芽種子バーナリゼーションが誘導されるかで、真性冬季一年草型と可変性冬季一年草型のどちらの生活環が発現するのかが決定することが明らかになった。この種子低温応答のしくみは、冬季一年草の生活環進化において極めて重要な要因だと考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 種子高温発芽阻害機構 -冬季一年草種子のアブシジン酸を介した温度応答による発芽タイミング制御-2004

    • 著者名/発表者名
      郷内 武, 木村直敬, 佐藤 茂, 吉岡俊人
    • 雑誌名

      植調 38

      ページ: 92-97

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Abscisic acid in the thermoinhibition of lettuce seed germination and enhancement of its catabolism by gibberellin2004

    • 著者名/発表者名
      T.Gonai, S.Kawahara, M.Tougou, S.satoh, T.Hashiba, N.Hirai, H.Kawaide, Y.Kamiya, T.Yoshioka
    • 雑誌名

      Journal of Experimental Botany 55

      ページ: 111-118

  • [雑誌論文] モデル植物を使って雑草研究を深める 冬季一年草種子発芽タイミングの制御機構2004

    • 著者名/発表者名
      吉岡俊人, 藤郷 誠
    • 雑誌名

      雑草研究 49・3

      ページ: 253-254

  • [図書] 作物保護の新展開、羽柴輝良編2005

    • 著者名/発表者名
      吉岡俊人
    • 総ページ数
      338
    • 出版者
      株式会社ソフトサイエンス社

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi