研究概要 |
1,GC-MSによるIAA関連物質の定量法の確立 ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)システムにより研究を継続した。アルカリの加水分解処理により配糖体からフリーのホルモンを遊離させて、抽出・精製後にGC-MSシステムで定量する方法IAAの配糖体の定量法を確立した。 2,作物におけるIAAの代謝特性の解明 放射性標識のIAAを使用して、抽出・精製中のIAAの代謝の程度を解析した。この操作で代謝がかなりの程度であったので、抽出・精製の方法を改善した。 草本性の果実におけるIAAの代謝特性の解明のため、キュウリの3つの成長ステージの果実に、放射性標識のIAAを施与後に組織を摩砕して、HPLCシステムで分画し、放射能量を測定した。これらの結果より、若い果実ほど代謝速度が速いことを明らかにした。 3,和ナシの徒長枝からの拡散性IAA 豊水、あきづき、新水の3品種の樹性の生理の解明のため、徒長枝からの拡散性IAAを分析した。豊水>あきづき>新水の順に伸長が停止した。新水は頂芽優勢が強いため新梢生長が遅くまで続き、逆に豊水は弱いため早期に生長が停止し、花芽分化時期に差がでると考えられる。新梢生長停止期までのIAA量は新水の方が豊水よりも高い傾向が見られたが、同一品種内での拡散性IAA量のばらつきが大きく品種間差はなかった。ばらつきが大きかった要因を検討した結果、新梢の長さに相関はなく、また切断面積による補正および新梢発生側枝の年数にも関連がなかった。
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