研究概要 |
ショ糖脂肪酸エステルを含む培地を煮沸し2mg/lの有効塩素(以下塩素)を添加することで水道水を原水として,培地中の微生物コロニー発生率(以下汚染率)を10^9リットルに1つ以下に抑ええた.さらにナイシンを追加添加することで,ジャガイモやココナッツウオーター等,変敗しやすい複雑な有機物を加えた培地を同程度の微生物コロニー発生率に抑えることができた.また,高濃度の塩素と,ベノミルとペニシリン,もしくはプロタミンに外植体を浸漬することで,通常のオフィス程度の浮遊微生物の存在下で100外植体を一度に置床しても,外植体当たり汚染率を1/1000程度以下にすることにも成功した. 本法ではほぼ固形培地を用いた組織培養はいかなる培地組成・容器容量でも実用的な微生物汚染率でもって培養操作ができるであろう.この方法を応用した液体培養法も塩素のみで滅菌し,培地の煮沸すら省略する方法もめどがたっている.
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