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2004 年度 実績報告書

テッポウユリの自家不和合性消失の遺伝・生理機構および自家和合性の進化的背景

研究課題

研究課題/領域番号 16580021
研究機関九州大学

研究代表者

比良松 道一  九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (30264104)

研究分担者 若菜 章  九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (10158579)
大久保 敬  九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (80150506)
キーワードテッポウユリ / 自家和合・不和合
研究概要

琉球列島の喜界島,久米島,石垣島,台湾の鼻頭角,蘭嶼島の自生集団由来のテッポウユリ実生を用いて自家交配を行ったところ,喜界島および蘭嶼島集団において,それぞれ,91%,100%の結実率を示した.また,屋久島の自然集団において自家交配を実施したところ,鷹交配と同程度の結実率(65%)を示した.これらの事実より,本課題実施以前に自家和合性個体で優占されることが明らかとなっていた喜界島集団に加え,新たに,屋久島や蘭嶼島においてテッポウユリの自家和合性集団が分化していることが明らかとなった.
屋久島自然集団においてテッポウユリ個体の開花前の花蕾を除雄し,そのまま放置すると,結実が見られず,その一方で,自然状態では71%の結実が見られた.この結果は,喜界島で行った同じ実験と一致しており,屋久島のテッポウユリ集団もほとんど自殖により維持されていると考えられた.
今年度新たに,黒島,種子島よりテッポウユリ個体を得ることができた.今後,こうした未調査の島嶼の個体群について同様の実験を進め,テッポウユリ種内における自家和合・不和合性の地理的変異の詳細を明らかにする.
テッポウユリの島嶼集団の遺伝的類縁関係を明らかにするために,いくつかの個体を用いて,ネギ属に適用されている手法に準じてAFLP分析行った.しかしながら,増幅されるDNAフラグメントの数が多く,多型識別が困難であった.これは,ユリ属植物のゲノムサイズがネギ属よりも巨大であることに起因するためと考えられた.そこで,増幅プライマーの塩基数を増やして,増幅されるフラグメント数を減らしたところ,多数の多型AFLPマーカーを得ることができた.今後,本手法を用いてテッポウユリ種内の正確な系統関係を明らかにし,自家和合性および不和合性のどちらが,祖先形質または派生形質であるかを推定する.

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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