研究課題/領域番号 |
16580023
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
松尾 友明 鹿児島大学, 農学部, 教授 (90041673)
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研究分担者 |
中村 考志 京都府立大学, 人間環境学部, 助手 (90285247)
岡本 繁久 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (30211808)
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キーワード | ポリフェノール / タンニン / プロアントシアニジン / 液体クロマトグラフ / 分子量分析 / ゲル浸透クロマトグラフ / 機能性 / 渋み成分 |
研究概要 |
1.カテキン類を骨格とする縮合型タンニン(プロアントシアニジンポリマー)を迅速、簡便に分析するためのHPLCの条件を種々検討して、汎用性の高い手法を確立した。この方法を適用することによって、従来、比較検討が困難であると考えられていた、様々の起源から調製した縮合型タンニンの分子量と分子量分布の測定が可能となった。 2.既知のタンニンの代表的なものの分子量と分子量分布を比較したところ、日本のカキ未熟果から抽出、単離したものが最も分子サイズが均一で、分子量が大きいことが明らかとなった。このことは、このタンニンが産業素材として、優れた原料であることを物語っている。この成果はイタリアでの第5回国際ポストハーベスト生理学会議で口頭発表を行なった。 3.カキタンニンの特徴を生かして、産業的な応用を種々検討した結果、高分子ゲルの素材として優れていることに注目して、ゲル化技術を確立した。すなわち、物理的可逆ゲル、化学的可逆ゲル、化学的不可逆的ゲルの3種類を調製する方法をそれぞれ確立し、一部は特許化を行なった。これらのゲルは異なった特性を示すことからそれぞれ異なった用途に利用が可能である。 4.古くから薬用効果が高いと信じられてきた、カキ茶、グアバ茶、ビワ茶の葉と未熟果実からポリフェノールを抽出して、HP-20樹脂を用いた逆相吸着クロマトで部分精製して、各分画に含まれるポリフェノール成分の新規生理活性を調べた。合わせて、分子量と分子量分布を比較した。 5.カキ葉から得られた分画に強い抗菌活性とガン細胞増殖抑制活性が認められた。現在、さらに精製を進めている。ビワ葉から得られた部分精製物は弱い美白効果(メラニン合成阻害活性)を示した。
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