研究課題/領域番号 |
16580023
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
松尾 友明 鹿児島大学, 農学部, 教授 (90041673)
|
研究分担者 |
岡本 繁久 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (30211808)
中村 考志 京都府立大学, 人間環境学部, 助教授 (90285247)
|
キーワード | ポリフェノール / GPC / タンニン / 分子サイズ / 機能性 / ゲル化 / プロアントシアニジン |
研究概要 |
16年度に続いて、従来、薬用効果があると信じられており、お茶などとして飲用されてきた果実や葉を材料として、渋み成分である縮合型タンニン(プロアントシアニジン)を抽出して、それらの分子サイズを今回筆者らが開発したHPLCシステムで分析した。結果、一般的な比較では、グアバ、ビワ、カキ、リンゴ、ブドウなどの果実には葉の抽出物より高分子のプロアントシアニジンが多く含まれており、分子量分布が大きいことが明らかとなった。葉を熱水抽出して、お茶として飲んでいた昔からの習慣は、より低分子のポリフェノールを摂取しており、体への吸収が容易だったと推察される。それらの結果の中でも、カキ葉抽出物から得られた部分精製粉末は、強い抗菌活性とガン細胞増殖抑制活性を示した。また、ビワ葉抽出物では、弱い美白効果(メラニン合成阻害活性)を示した。現在、ともに更に精製を進め、構造決定を目指している。 カキ未熟果実に含まれる高分子タンニン(プロアントシアニジン ポリマー)はもっとも分子サイズが大きく、また、分子サイズの広がりが極めて小さいことが本実験で明らかとなった。この成果の一部は、第5回国際ポストハーベスト生理会議で口頭発表した。このことは、このタンニンが産業資材として優れていることを予想させて、各種の接着剤、皮膜剤、塗料、生分解性プラスチック、飼料用ソフトゲルなどへの応用が期待できる。種々検討したところ、3種類のゲル化方法を開発して、一部は16年度に特許出願を行なった資料に新たなデータを加え出願している。 1.化学的可逆的なソフトゲル、2.化学的可逆的なソフトゲル(可食なゲル)、3.化学的不可逆的なハードゲル、の調製方法を開発した。 これらのゲルはそれぞれ異なった特性を示すことから、様々な用途に利用できる可能性がある。16年度に続いてゲル化条件とゲル特性の関連を詳しく検討している。また、新しいゲル化方法の開発を続けている。これらの結果は特許出願を優先しているため、まだ、論文発表には至っていない。
|