研究課題/領域番号 |
16580035
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
Taylor DeMar 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (50261772)
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研究分担者 |
鎮西 康雄 三重大学, 医学部, 教授 (60024709)
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キーワード | 卵形成 / マダニ / Ornithodoros moubata / エクジソン / 内分泌的 / ビテロジェニン / エクダイステロイドレセ / レチノイドXレセプター |
研究概要 |
我々はこれまでにヒメダニ科のマダニOrnithodoros moubataの卵形成に関する内分泌機構について研究を行ってきた。吸血した雌の体内では卵黄タンパク質Vitellogenin(Vg)は脂肪体で合成され、体液を経て卵黄に取り込まれる。以前の研究から脱皮ホルモンのエクジステロイドがVg合成を誘導すると考えられている。ラジオイムノアッセイ(RIA)を用いて吸血後のエクジステロイド量を測定したところ、吸血後にエクジステロイドの産生があったのは交尾雌のみであった。 エクダイステロイドが機能するためには、エクダイステロイドレセプター(EcR)とレチノイドXレセプター(RXR)と呼ばれる2つの閣内レセプターが必要である。EcRとRXRはヘテロダイマーを形成し、そこにエクダイステロイドが結合すると、Vg遺伝子の上流にあるEcRE(ecdysteroid receptor response element)へと結合してVgが発現する。EcR、RXRの塩基配列を決定し、それをもとにReal-Time PCRを用いて吸血後の発現量を測定した。EcR、RXRについては交尾雌と未交尾雌の間に発現パターンの差は見られず、交尾雌のみで高濃度のVg合成や卵の成熟が起こるのは、エクジステロイドの働きが大きいことが示唆された。また、EcR、RXRの発現は脂肪体や生殖器官で顕著であり、これらの器官がエクジステロイドによって刺激されていると考えられる。また、EcRのアイソフォームごとに発現量を測定したところ、アイソフォームによって発現時期、量、器官が異なることが明らかになった。そのため、アイソフォームごとに異なる働きを担っていることが示唆された。 また、Vg遺伝子の決定のためディジェネレードプライマーを作成してPCRを行い、フラグメントを解析中である。
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