研究概要 |
カイコのクチクラタンパク質遺伝子の発現制御領域を調べるために、当研究室でクローニングした9種のクチクラタンパク質遺伝子、BmWCP1-9クローンをプローブ二用いてカイコのBACクローンのスクリーニングを行った。BmWCP1-8は同一のBACクローンに存在することがわかった。2種類の発現時期の異なるクローンの遺伝子の上流域をクローニングするために、BACクローンを用いてスクリーニングを行った。その結果、BmWCP2,4の上流域のシークエンスを決定することができた。さらにカイコのゲノムシークエンスが公開されたため、アクセスして、BLASTサーチを行いそれぞれの上流域2kbをレポーター遺伝子を有するプラスミドにクローニングを行った。現在、当プラスミドが培養細胞に導入できるかどうかを試験しているところである。 一方、レポーターアッセイの系を構築するために、生物資源研から14種類のカイコの培養細胞を譲り受け、ホルモン処理を行った後クチクラタンパク質遺伝子の発現する培養細胞のスクリーニングを行った。その結果、4種の培養細胞で、ホルモン処理によりクチクラタンパク質遺伝子が発現することがわかった。これら培養細胞株のエクダイソン応答性を調べたところ、E75,BHR3などのエクダイソン初期応答遺伝子は4種の培養細胞でエクダイソンにより誘導されることが確かめられた。 今後、これらの結果を利用して、培養細胞で2種クチクラタンパク質遣伝子の上流域のレポーターアッセイを行い、2種の遺伝子の上流域の調節領域を調べていく予定である。
|